大河ドラマ『おんな城主 直虎』第9回「桶狭間に死す」

 これは3月6日分の記事として掲載しておきます。今回は桶狭間の戦いの後の混乱が描かれました。桶狭間の戦い自体はあまり描かれず、この点でまた、「口うるさい本格派」の大河ドラマ視聴者層が不満を声高に語りそうです。こういう層は概して声が大きいので目立ちますが、実のところ、大河ドラマの視聴者層で「本格的な」合戦場面を期待している割合がどの程度なのかというと、誰も正確には把握できていないのではないか、と思います。まあ、次回以降、回想で桶狭間の戦いがもっと詳しく描かれる可能性もあるとは思いますが。

 桶狭間の戦いは井伊家にとって衝撃的な結果となりました。今川軍が敗北し、今川義元は討ち死にします。さらに井伊家当主の直盛も討ち死にし、井伊家は大混乱に陥ります。これまで、本作は次郎法師(直虎)・直親(亀之丞)・小野政次(鶴丸)の三人の人間模様が軸となってきたのですが、今回はややその側面が弱かったように思います。桶狭間の戦いの後の混乱において、この三人の関係はどう変わってくるのでしょうか。

 直盛はとりあえず中野直由を表に立てるよう遺言を残していました。遠江が混乱するだろう状況で直親を守ろうとしたのだ、と直盛の意図を直ちに解説した政次にたいする疑念を抱く者もいました。その一人である奥山朝利は、政次が井伊家を乗っ取ろうとしていると疑心を募らせ、政次の弟で、桶狭間の戦いで戦死した玄蕃の妻である娘の「なつ」を奥山家に引き取ろうとします。「なつ」は小野家に残ろうとし、朝利は政次への疑心をますます募らせます。朝利は政次を自宅に呼び、痛いところを突かれて返答に窮し、政次に斬りかかります。政次は負傷しつつ逆に朝利を斬ってしまい、次郎法師を頼ってきます。

 井伊家以外の人間模様も描かれ、松平元康(徳川家康)は桶狭間の戦いの後、岡崎城に入り、今川家からの独立を図ろうとします。桶狭間の戦いの結果、大きく物語は動くことになりそうで、今後の展開にはなかなか期待できそうな予感もあります。話が盛り上がるとよいのですが。すでに織田信長役は発表されていますが、今川家の没落から終盤にかけては武田家も重要な役割を担うでしょうから、信玄や勝頼の配役も気になるところです。今川家の没落のさいには北条家も重要な存在となりますが、一般人気の高くなさそうな北条家の登場はないでしょうか。

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