鳥類のくちばしの形状の進化

 これは3月25日分の記事として掲載しておきます。鳥類のくちばしの形状の進化に関する研究(Cooney et al., 2017)が公表されました。この研究は、2000種を超す鳥類の分析から、くちばしの形状の多様性は、鳥類の進化がより沈静化した状態に落ち着く以前の初期段階に拡大したことを明らかにし、ダーウィンの「くさび」式の自然淘汰説を支持しています。しかし、このパターンは時間的変動とは連動しておらず、初期の進化の速度はその後の進化とさほど変わりませんでした。また、系統樹の枝に沿って進化速度が急上昇した例がいくつか発見され、こうした例では極端なくちばし形態を持つ種数のごく少ないクレードが生じていたことも明らかになりました。以下は『ネイチャー』の日本語サイトからの引用です。


進化学:鳥類の適応放散の巨大進化動態

進化学:鳥類のくちばし形状の進化

 生物学的多様性は何によって形作られているのだろうか。今回、2000種を超す鳥類の研究から、くちばしの形状の多様性は、鳥類の進化がより沈静化した状態に落ち着く以前の初期段階に拡大したことが示され、ダーウィンの「くさび」式の自然淘汰説が支持された。しかし意外だったのは、このパターンが時間的変動とは連動していないことで、初期の進化の速度はその後の進化とさほど変わらなかった。また、系統樹の枝に沿って進化速度が急上昇した例がいくつか発見され、こうした例では極端なくちばし形態を持つ種数のごく少ないクレードが生じていたことが分かった。



参考文献:
Cooney CR. et al.(2017): Mega-evolutionary dynamics of the adaptive radiation of birds. Nature, 542, 7641, 344–347.
http://dx.doi.org/10.1038/nature21074

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