ファミリー劇場HDリマスター版『太陽にほえろ!』587話~581話

578話「一係皆殺し!」5
 一係は覚醒剤取引の現場を押さえますが、ブルースが一度は捕まえた運転手はその場から逃げ出します。警察に恥をかかされたと憤慨する運転手は、自分の弟分と共にブルースをはじめとして一係全員の命を狙います。ブルースはその弟分を逮捕するものの、運転手には再度逃げられてしまいます。さらに、一係に時限爆弾が送られてきて、犯行はますます過激化していきます。運転手の暴走と覚醒剤取引の黒幕の意図がどう結びつくのか、という謎を軸に話が進むのですが、覚醒剤の大型取引の陽動作戦というオチはまずまずよかったと思います。ただ、話自体は、期待したほどには盛り上がりませんでした。苦い結末は悪くなかったと思いますが。


579話「鳩の舞う街」5
 研究所からウイルスが盗まれ、業者を装って研究所に入ってきた男性が犯人ではないか、と一係は推理します。ラガーは捜査の途中、飼っていた鳩が逃げてしまったために落ち込んでいた少年と遭遇し、その鳩を探す、と少年に約束してしまいます。鳩探しとウイルス盗難・脅迫事件が関わってきて、話が進みます。犯人の意図がなかなか読めず、謎めいた展開となったので楽しめましたが、犯人の特定があっさりしすぎた感は否めませんでした。また、犯人の人物像がほとんど描かれなかったことも、やや残念でした。まあ、実質的なメインゲストは少年だったので、仕方のないところでしょうか。


580話「名人」8
 今回は、541話(関連記事)で登場した、凄腕ながらも偏屈な元金庫破りの男性が再度事件に関わってきます。ドックが(元)犯罪者に弟子入りするという、ドック弟子入りシリーズの一環と言えるでしょう。話は、金庫破りの男性の弟子の死体が発見されるところから始まります。殺害犯はすぐに逮捕されますが、半年前の銀行の金庫の強盗事件と関わっていた可能性が浮上します。なかなか緊張感のある展開で、オチも意外で楽しめました。元金庫破りの男性役の殿山泰司氏だけではなく、長塚京三氏や山西道広氏もゲストで出演していたので、個人的にはなかなか豪華な配役となっています。


581話「逃げない男」6
 男性の遺体が発見されますが、検視の結果、素手一発で殴られたことによる肝臓破裂だと分かります。容疑者としてあるボクサーが浮上し、トシさんとラガーとブルースが尋問しますが、容疑者は冷静に否定します。しかし、そのコーチに手の怪我が見られたことが、トシさんには気がかりでした。目撃者の証言から、コーチに容疑がかかります。トシさんはコーチを探し、発見しますが、コーチはトシさんに殴りかかってきて、殺人を認めます。しかし一係は、コーチと証言者の様子から、真相は違うのではないか、と気づきます。けっきょく、じっさいに殺したのはボクサーの方で、真相は早めに見えてきましたが、ボクシングの場面にはなかなか迫力があり楽しめました。コーチを演じたのはガッツ石松氏で、時々挿入された試合の場面はガッツ石松氏の現役時代の映像でしょうか。

この記事へのコメント

いち
2016年10月26日 19:14
こんばんは。今でこそHDDやBDなどの録画機が豊富に普及されており、CSなどでの 「太陽にほえろ!」の録画は容易にできますが、リアルタイム当時の録画機の普及率は低かったですよね。私の場合、録画できたのはほんの二、三話程度だけ。 初めて家にビデオデッキが届いたのがちょうどこの頃で、「一係皆殺し」「鳩の舞う街」をVHSに録画しました。ドックがボギーにボロクソに罵る場面や、ラガーが涙ながらに銃を構える場面なんかは、何度も再生したので脳裏に焼き付いています。
2016年10月26日 19:26
確かに、本放送当時は、まだ家庭用録画機の普及率は低かったと思います。それでも、1986年ともなると、なかなか普及していたかもしれませんが。作中では、1977年放送の268話「偶然」で家庭用録画機がトリックに使われていて、時代を先取りしていたところがあると思います。

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