ルドルフェンシス化石のより正確な年代
これは10月20日分の記事として掲載しておきます。取り上げるのがたいへん遅くなってしまいましたが、ホモ=ルドルフェンシス(アウストラロピテクス属に分類する見解もあります)と(便宜的に?)分類されている化石のより正確な推定年代についての研究(Joordens et al., 2013)が公表されました。この研究では、初期ホモ属の進化に関して重要となるアフリカ東部に関して、地磁気層序とストロンチウム同位体層序との結合により、ルドルフェンシスと分類されている化石や近年になって発見され、ルドルフェンシスとの形態的な類似が指摘されている化石(関連記事)のじゅうらいよりも正確な推定年代が提示されています。
具体的には、頭蓋“KNM-ER 1470”と部分的な顔面“KNM-ER 62000”と下顎“KNM-ER 1482”・“KNM-ER 1801”・“KNM-ER 1802”の推定年代が、2058000±34000年前と1945000±4000年前の間にまで絞り込まれました。この年代はじゅうらいの推定よりも古くなります。200万年前頃のアフリカ東部の人類化石の推定年代を絞り込むのは、ホモ属の起源・拡散を復元するために重要になってくる、との見通しがこの研究では示されています。
この研究の推定年代は、ハビリスとルドルフェンシスという初期ホモ属(ハビリスについても、ホモ属ではなくアウストラロピテクス属に分類する見解があります)の推定存在年代と重なります。この時期のアフリカは乾燥した時期と湿潤な時期が周期的に訪れており、湖水のトゥルカナ盆地は乾燥した時期には生物にとって退避地だった可能性があることも、この研究では指摘されています。
この研究でさらに興味深いのは、ルドルフェンシスの生息範囲となるトゥルカナ盆地において、2058000±34000年前の地層から海洋性のアカエイが確認されたことです。この時期のトゥルカナ盆地はインド洋と接続しており、動物相の拡散が促進されたのではないか、とこの研究では推測されています。このトゥルカナ盆地からインド洋沿岸へとつながる一帯が複数のホモ属種の生息範囲だった可能性も、この研究では考慮されています。
参考文献:
Joordens JCA. et al.(2013): Improved age control on early Homo fossils from the upper Burgi Member at Koobi Fora, Kenya. Journal of Human Evolution, 65, 6, 731–745.
http://dx.doi.org/10.1016/j.jhevol.2013.09.002
具体的には、頭蓋“KNM-ER 1470”と部分的な顔面“KNM-ER 62000”と下顎“KNM-ER 1482”・“KNM-ER 1801”・“KNM-ER 1802”の推定年代が、2058000±34000年前と1945000±4000年前の間にまで絞り込まれました。この年代はじゅうらいの推定よりも古くなります。200万年前頃のアフリカ東部の人類化石の推定年代を絞り込むのは、ホモ属の起源・拡散を復元するために重要になってくる、との見通しがこの研究では示されています。
この研究の推定年代は、ハビリスとルドルフェンシスという初期ホモ属(ハビリスについても、ホモ属ではなくアウストラロピテクス属に分類する見解があります)の推定存在年代と重なります。この時期のアフリカは乾燥した時期と湿潤な時期が周期的に訪れており、湖水のトゥルカナ盆地は乾燥した時期には生物にとって退避地だった可能性があることも、この研究では指摘されています。
この研究でさらに興味深いのは、ルドルフェンシスの生息範囲となるトゥルカナ盆地において、2058000±34000年前の地層から海洋性のアカエイが確認されたことです。この時期のトゥルカナ盆地はインド洋と接続しており、動物相の拡散が促進されたのではないか、とこの研究では推測されています。このトゥルカナ盆地からインド洋沿岸へとつながる一帯が複数のホモ属種の生息範囲だった可能性も、この研究では考慮されています。
参考文献:
Joordens JCA. et al.(2013): Improved age control on early Homo fossils from the upper Burgi Member at Koobi Fora, Kenya. Journal of Human Evolution, 65, 6, 731–745.
http://dx.doi.org/10.1016/j.jhevol.2013.09.002
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