東京都知事選結果
これは8月2日分の記事として掲載しておきます。先月31日(2016年7月31日)に投開票となった東京都知事選は、大手マスコミの事前の情勢調査通り(関連記事)、小池百合子候補が圧勝しました。選挙期間中、マスメディアに有力候補として扱われることの多かった3人の得票数は、以下の通りとなります。()は得票率です。
小池百合子候補・・・2912628票(44.49%)
増田寛也候補・・・1793453票(27.40%)
鳥越俊太郎候補・・・1346103票(20.56%)
小池候補圧勝の理由は、自民党都連との「守旧派」対「改革派」という対決構造を創り出し、自民党都連に「苛められている」ので同情票が集まったことと、自民党都連の締め付けにも関わらず、少なからぬ東京都の地方自治体の自民党系議員が小池候補を支援したことと、今回の候補者の中では知名度が高かったことだと思います。自民党都連や自民党本部の了承を得ずに、早々に立候補宣言した小池候補の「奇襲」が成功した、ということでしょうか。小池新都知事は自民党都連と早々に「和解」する可能性が高いと思うのですが、両者の対立はかなり根深いものでしょうから、金銭面などで何か問題が生じたとしたら、先代・先々代の都知事のように、たちまち都議会から見放され、任期を全うできないのではないか、と思います。あるいは、政界でも屈指の華麗な遊泳術を誇る小池新都知事だけに、「小池劇場」を演出して、自民党都連の「反小池派」との対決色を強め、自分を支持する「地域政党」を立ち上げて、来年の都議選に臨むかもしれません。色々と支持できないところのある小池新都知事ですが、ともかく都政を徒に混乱させることのないよう、願っています。
増田候補は、小池候補・鳥越候補と比較して知名度が劣っていたこともありますが、自民党都連の時代錯誤的な通達により、「苛める側」としての印象が強くなってしまったことも敗因の一つだと思います。自民党も、意中の人物に立候補を断られて、次善(ですらなかったかもしれませんが)の候補として増田氏を擁立したのでしょうが、それにしても、増田候補の過去の「反東京主義」的な政治姿勢を考えたら、もっと人選は何とかならなかったものか、と思います。
「保守分裂」選挙となったことから、主要野党の「統一候補」として出馬した鳥越氏は、序盤の情勢調査が出るまでは、当選有力と考えている人も少なくなかったと思います。しかし、報道機関での露出が増えるにつれて支持率が下がっていったように思います。これは、認知能力も含めて鳥越候補の健康面に不安がもたれたことが大きかったように思います。また、鳥越候補よりもよほど都政について勉強しており、都知事選の準備を整えていた宇都宮氏を立候補断念に追い込んだように見えて反感を買ったことも敗因の一つでしょうか。そのため、小池候補にますます同情票が集まる結果になったように思います。連合が自主投票としたことも敗因の一つと言えるかもしれません。何よりも、週刊誌で取り上げられた醜聞は致命的だったと思います。確かに、鳥越候補の醜聞が最も高く売れる時点で取り上げるという商業的判断もあったのでしょうが、明らかに鳥越候補の当選を阻止するための政治的意図も濃厚にあったと思います。
それにしても、「保守分裂」選挙となり、主要野党の「統一候補」だったにも関わらず、鳥越候補が増田候補にもかなりの差で負けてしまって3位だったことは衝撃的で、鳥越候補を擁立した主要野党の幹部は猛省すべきでしょう。宇都宮健児氏では民進党が推薦できないので、民進党も共産党も推薦できる候補として鳥越氏を擁立したのでしょうが、今回の都知事選に限って言えば、明らかに人選を間違ったと思います。今回の鳥越候補の得票率(20.56%)は、前回の都知事選の宇都宮候補の得票率(20.18%)とさほど変わらないくらいです。ただ、何かと冷ややかに評価されることの目立った野党共闘のことを考えると、今後数年間の政局という観点では大失敗とは言えない選択だったかもしれません。先月の参院選での野党共闘に一定以上の効果があったことは、2013年の参院選と比較すると、自民党の議席数が、比例選での得票率が上回っていたにも関わらず減少したことからも、否定できないと思います。とはいえ、この野党共闘が日本国民の多数にとってよりましな選択なのかというと、かなり微妙ではありますが。
小池百合子候補・・・2912628票(44.49%)
増田寛也候補・・・1793453票(27.40%)
鳥越俊太郎候補・・・1346103票(20.56%)
小池候補圧勝の理由は、自民党都連との「守旧派」対「改革派」という対決構造を創り出し、自民党都連に「苛められている」ので同情票が集まったことと、自民党都連の締め付けにも関わらず、少なからぬ東京都の地方自治体の自民党系議員が小池候補を支援したことと、今回の候補者の中では知名度が高かったことだと思います。自民党都連や自民党本部の了承を得ずに、早々に立候補宣言した小池候補の「奇襲」が成功した、ということでしょうか。小池新都知事は自民党都連と早々に「和解」する可能性が高いと思うのですが、両者の対立はかなり根深いものでしょうから、金銭面などで何か問題が生じたとしたら、先代・先々代の都知事のように、たちまち都議会から見放され、任期を全うできないのではないか、と思います。あるいは、政界でも屈指の華麗な遊泳術を誇る小池新都知事だけに、「小池劇場」を演出して、自民党都連の「反小池派」との対決色を強め、自分を支持する「地域政党」を立ち上げて、来年の都議選に臨むかもしれません。色々と支持できないところのある小池新都知事ですが、ともかく都政を徒に混乱させることのないよう、願っています。
増田候補は、小池候補・鳥越候補と比較して知名度が劣っていたこともありますが、自民党都連の時代錯誤的な通達により、「苛める側」としての印象が強くなってしまったことも敗因の一つだと思います。自民党も、意中の人物に立候補を断られて、次善(ですらなかったかもしれませんが)の候補として増田氏を擁立したのでしょうが、それにしても、増田候補の過去の「反東京主義」的な政治姿勢を考えたら、もっと人選は何とかならなかったものか、と思います。
「保守分裂」選挙となったことから、主要野党の「統一候補」として出馬した鳥越氏は、序盤の情勢調査が出るまでは、当選有力と考えている人も少なくなかったと思います。しかし、報道機関での露出が増えるにつれて支持率が下がっていったように思います。これは、認知能力も含めて鳥越候補の健康面に不安がもたれたことが大きかったように思います。また、鳥越候補よりもよほど都政について勉強しており、都知事選の準備を整えていた宇都宮氏を立候補断念に追い込んだように見えて反感を買ったことも敗因の一つでしょうか。そのため、小池候補にますます同情票が集まる結果になったように思います。連合が自主投票としたことも敗因の一つと言えるかもしれません。何よりも、週刊誌で取り上げられた醜聞は致命的だったと思います。確かに、鳥越候補の醜聞が最も高く売れる時点で取り上げるという商業的判断もあったのでしょうが、明らかに鳥越候補の当選を阻止するための政治的意図も濃厚にあったと思います。
それにしても、「保守分裂」選挙となり、主要野党の「統一候補」だったにも関わらず、鳥越候補が増田候補にもかなりの差で負けてしまって3位だったことは衝撃的で、鳥越候補を擁立した主要野党の幹部は猛省すべきでしょう。宇都宮健児氏では民進党が推薦できないので、民進党も共産党も推薦できる候補として鳥越氏を擁立したのでしょうが、今回の都知事選に限って言えば、明らかに人選を間違ったと思います。今回の鳥越候補の得票率(20.56%)は、前回の都知事選の宇都宮候補の得票率(20.18%)とさほど変わらないくらいです。ただ、何かと冷ややかに評価されることの目立った野党共闘のことを考えると、今後数年間の政局という観点では大失敗とは言えない選択だったかもしれません。先月の参院選での野党共闘に一定以上の効果があったことは、2013年の参院選と比較すると、自民党の議席数が、比例選での得票率が上回っていたにも関わらず減少したことからも、否定できないと思います。とはいえ、この野党共闘が日本国民の多数にとってよりましな選択なのかというと、かなり微妙ではありますが。
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