東京都知事選序盤情勢

 これは7月19日分の記事として掲載しておきます。この5年4ヶ月弱で4回目となる東京都知事選の投票日まで2週間を切りました。こうも都知事選が続くと、一都民としては、さすがにそろそろこの悪い流れを断ち切らねばならない、と思うのですが、もちろん、任期を全うできればそれでよい、というわけでもありません。例によって多くの候補者がいるわけですが、実質的には鳥越俊太郎氏・増田寛也氏・小池百合子氏という3候補の争いと言ってよいでしょう。しかし、率直に言って、この3候補にはとても投票したくないので、今回は本当に悩むところです。

 まず、鳥越候補については、明らかに準備不足とはいっても、他の主要2候補も準備不足なのは否めず、この点で鳥越候補だけを責めるのには疑問も残ります。とはいっても、ひどい出馬表明だったことは否定できませんが。何よりも問題なのは、癌を克服していたとしても、これまでの各種報道機関での露出から判断して、認知能力が大きく低下しているのではないか、との疑念をとても払拭できないことです。よくこんな人を担いだなあ、と主要野党には呆れます。まあ、「神輿は軽くてパーがいい」ということなのかもしれませんが。自戒の念を込めて言うと、青島幸男氏を都知事に当選させ、石原慎太郎氏を4回も都知事に当選させ、山本太郎氏を参院選東京選挙区で当選させたような都民ですから、主要政党の幹部から見下されても仕方ないかな、とは思いますが。

 鳥越候補は「なんちゃってリベラル」でしょうから、もし当選したとしても、「愛国的」な人々が心配するほどには、「極端な」政策を本気で実行しようとすることは少ないと思います。鳥越候補は世渡りが上手そうなので、都庁職員や都議会とは意外に無難な関係を築くかもしれない、と思います。その意味では、青島幸男元都知事のように、役人の言いなりになって都政をまずまず無難に運営する可能性もあると思います。しかし、認知能力も含めて健康面での不安は否めず、当選したとしても任期を全うできるのか、はなはだ疑問です。

 増田候補は、「反東京主義」的なところが大問題なのですが、さほど信念が強いようには見えませんし、良くも悪くも役人なので、当選したとしたら、新たな職務に「適応」して、「反東京主義」的な側面を見せることはないかもしれません。都議会の自民党・公明党とも良好な関係を築けそうですし、主要3候補のなかで唯一、任期を全うできそうなのは魅力です。しかし、岩手県知事を3期務めたとはいっても、その実績には疑問が呈されており、一般的な印象よりもずっと、実務能力・知事としての手腕を低く評価すべきかもしれません。

 小池候補は、当選したとしても、都議会と対立し、けっきょく「改革ごっこ」に興じるだけではないか、との不安が強く残ります。ただ、政界でも屈指の華麗な遊泳術を誇るだけに、当選したら、意外と都議会や都庁職員とも無難な関係を築いていくのではないか、と思います。しかし、都議会自民党との根深いわだかまりが解消されるとはとても思えず、何か問題が生じたとしたら、たちまち都議会から見放され、任期を全うできないのではないか、と思います。

 前回の都知事選のさい、「舛添氏の場合、一部で報道された政党助成金の不正使用疑惑のように、金銭的問題が都知事就任後も執拗に追及されることが懸念されます。舛添氏は人望がなさそうですし、都議会の自民党議員の多くも内心では嫌っているでしょうから、醜聞がマスコミで取り上げられたときに、前都知事のように都議会からあっさりと見放されて辞職に追い込まれる可能性もあると思います。また4年も経たないうちに都知事選になるかもしれないという意味でも、舛添氏に投票する気にはとてもなれません」と懸念を述べましたが、残念ながらかなりのところ的中してしまいました。小池候補についても、同様の懸念が払拭できません。まあ、小池候補は舛添前都知事よりも金銭面での問題は少ないかもしれませんが。


 都知事選の序盤情勢は、小池候補がやや抜け出し、鳥越候補が僅差でそれに続き、増田候補がやや出遅れているようです。国会議員や東京都の地方議会議員の一部が小池候補を支持しているように、増田候補は自民党・公明党の組織票を固めきれていないことと、知名度が他の主要2候補よりも劣り、無党派層には浸透していないことから、苦戦しているようです。何よりも、自民党都連の時代錯誤的な通達が増田候補の印象を悪くしているのでしょう。

 鳥越候補は、宇都宮健児氏が立候補を断念して「野党統一」が実現し、「保守分裂」となったことから、告示直前には当選有力と考えている人も多かったようですが、意外と伸び悩んでいます。出馬表明やその後の各種報道機関での露出で、認知能力も含めて健康面に不安がもたれたことと、連合が自主投票としたことと、鳥越候補よりもよほど都政について勉強しており、都知事選の準備を整えていた宇都宮氏を立候補断念に追い込んだように見えて反感を買っていることが要因でしょうか。

 増田候補も鳥越候補も反感を買う要素が多い一方で、小池候補にはそれが少ないというか、むしろ同情が集まっているのが、小池候補優勢の要因なのだと思います。鳥越候補は今後各種報道機関での露出が増えれば、ますます支持率が下がっていくでしょうし、小池候補優勢ということで、自民党の東京都の組織も増田候補支援の動きが鈍り、小池候補に鞍替えする人が増えていきそうですから、小池候補が当選する可能性がかなり高くなったのではないか、と思います。

 政策・現在の政治状況・人間性・将来性(人気を全うできるのか)などとともに、こうした序盤の情勢も踏まえて、どの候補に投票するのか、決めなければならないのですが、上述したように、主要3候補にはとても投票したくないので、悩ましいところです。今回は、公報・書籍・ネットなどで各候補の政策・思想・人間性などをよく調べたうえで、死票になることを覚悟のうえで、知名度競争となっている都知事選への抗議として、知名度の低い候補に投票することになりそうです。

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