大河ドラマ『真田丸』第18回「上洛」

 これは5月9日分の記事として掲載しておきます。今回は昌幸の上洛と秀吉への服属が描かれました。誇り高い昌幸は、大名に取り立てるので上洛せよ、と秀吉から命じられますが、自分は秀吉の配下ではない、といって上洛を拒否します。しかし、昌幸は、信幸だけではなく、上杉家重臣の直江兼続からも上洛するよう説得され、領地を守るためにはどうすべきなのか迷い、母に相談します。昌幸は悩んだ挙句、面従腹背の方針で上洛することにします。しかし昌幸は、献上の品で三成に注文をつけられ、秀吉との面会もできません。信繁のとりなしにより、昌幸は何とか秀吉と面会できますが、徳川の与力となるよう命じられます。

 今回は、武田家滅亡後、自立すべく画策してきた昌幸の悲哀が描かれました。北関東と甲信越しか知らない昌幸の視野の狭さと、すでに強大な「中央権力」の怖さを知っている信繁との対比が描かれ、なかなか上手い構成になっていた、と思います。この昌幸の挫折を強調するために、これまで「狭い舞台」で昌幸を縦横無尽に活躍させてきたのかな、と思います。本作が個性的な人物造形だけに頼っているのではなく、話の構造もよく練られているのだな、と感心します。

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