大相撲夏場所13日目

 これは5月21日分の記事として掲載しておきます。何と言っても注目は、白鵬関と稀勢の里関という全勝同士の取り組みでした。今場所の優勝争いを決定づけそうだというだけではなく、稀勢の里関の初優勝と横綱昇進もかかっているだけに、注目度は普段よりずっと高かったのではないか、と思います。稀勢の里関は先場所から落ち着いた相撲を取れるようになり、稀勢の里関の初優勝と横綱昇進を期待している人は多いのではないか、と思います。ただ、稀勢の里関が好調で、過去には白鵬関相手にそれなりに勝っているとはいっても、この大一番で白鵬関に勝つのは容易ではないだろう、と私は考えていました。しかも、おそらく沸き起こるだろう稀勢の里関への声援に白鵬関が激怒しそうなので、白鵬関が気合の入った相撲で稀勢の里関を圧倒するのではないか、と私は予想していました。

 やはりたいへん盛り上がりましたが、懸念していたよりもずっと稀勢の里関へのコールは少なく、これはよかったと思います。勝負は、大一番に相応しく見ごたえのあるものとなりました。稀勢の里関にも勝機はありましたが、さすがに白鵬関の底力はすごいもので、不利な体勢をしのいで下手投げで勝ちました。両者ともに力を出し切った感じで、満足した観客・視聴者は多かったでしょう。稀勢の里関も白鵬関も、残り2日の相手は日馬富士関と鶴竜関で、白鵬関はどちらにも勝てるでしょうから、白鵬関が全勝優勝を達成する可能性が高いでしょう。

 一方稀勢の里関の勝てる確率は、日馬富士関相手が60%、鶴竜関相手が80%といったところでしょうか。そうすると、稀勢の里関が14勝1敗で場所を終える可能性は50%弱(48%)程度となります。まさか相撲協会も、優勝経験無で稀勢の里関を横綱に昇進させるような暴挙は行なわないでしょうが、相撲協会は稀勢の里関にはたいへん甘いので、わずかながら心配ではあります。正直なところ、横綱の鶴竜関はとても横綱の器だと思えませんが、稀勢の里関はそれ以上に横綱の器だとは思えませんので、稀勢の里関が横綱に昇進することを私は願っていません。とはいえ、怪我によりまともに相撲の取れない照ノ富士関が復調できるのか不明な現時点では、稀勢の里関が最も次の横綱に相応しい力士であることも確かであり、何とも困ったものです。

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