ファミリー劇場HDリマスター版『太陽にほえろ!』536話~539話

536話「死因」6
 代議士が事故に遭い、491話に登場したドックの医大時代の同級生だった警察病院の女性外科医が手術を担当します。代議士は死亡し、女性外科医はドックに、代議士は薬物中毒だと伝えます。ところが検視官は、死亡した代議士は薬物中毒ではなかった、と報告します。さらに、検視官も手術に立ち会った看護師も、女性外科医が麻酔の量を間違えたために代議士が死亡した、と証言します。その検視官は証言の直後に溺死し、死亡した代議士の秘書が暗躍していると考えた一係は捜査を進めます。

 しかし、秘書の工作は徹底しており、一係はなかなか確証を掴めず、今度は証言した看護師も命を狙われます。一係は背後に麻薬組織があるところまで突き止めますが、確証は得られません。しかし、命を狙われた後に記憶喪失を装っていた看護師がドックと女医の信頼しきった姿を見て反省して事実を証言したことにより、一係は麻薬組織の要人を逮捕します。ドックと女医との関係を軸に話が進み、まずまず楽しめました。ドックと女医との関係は、今後の進展を予感させるものでしたが、結局最終回までドックが結婚することはありませんでした。ドックは女性人気が高かったので、結婚させるわけにはいかなかった、との判断があったのでしょうか。


537話「赤い憎悪」8
 ある女性が自動車に撥ねられ、意識不明に陥ります。状況証拠から、運転手には殺意があったのではないか、と考えられました。その女性は、強盗殺人事件で無期懲役刑の男性と文通をしており、婚約していることも明らかになります。その女性は強盗殺人犯の公判に行き、それが契機となって文通するようになったのでした。凶暴だった強盗殺人犯は、婚約以降、生きる望みが出てきたのか、大人しくなっていました。ところが、婚約者の命が狙われた、と原から聞かされた強盗殺人犯は激高します。一係がさらに捜査を進めると、その女性には婚約していた男性が昔いて、現在婚約している強盗殺人犯に殺されたことが明らかになります。何とも不可解な行動なので、一係は女性の真意を掴みかねます。

 女性は意識を回復し、退院しますが、今度は銃撃されます。原は、女性が前の婚約者を愛するあまり、復讐を企てたのではないか、と推理します。女性は自身が強盗殺人犯にとって大切な人となり、殺されることで、強盗殺人犯に同じ気持ちを味合わせようとしていたのでした。謎めいた展開となっており、人間の情念が描かれていたので、なかなか楽しめました。まあ、強盗殺人犯が医者を人質にとっている状況で、女性を説得した原が、女性に手紙を書かせて真意を強盗殺人犯に伝えさせたのは、不自然というか、かなり危険な策だったかな、と思いますが。今回も少なくとも一度は視聴したはずなのですが、すっかり忘れていたことで、楽しむことができました。


538話「七曲署・1983」8
 ある男性がビルから落下して死亡します。男性は末期癌だったので、自殺とも考えられましたが、その背景には汚職事件があると分かります。ボスと山さんとの信頼関係が改めて描かれ、短いながらも久々となる屋外でのボスのアクションシーンもあるなど、なかなか見ごたえのある話になっています。1983年最初の放送ということもあってか、内藤武敏氏と北村総一朗氏がゲストで署長も登場と、なかなか豪華な配役です。長きに亘って七曲署の署長として出演してきた平田昭彦氏ですが、『太陽にほえろ!』では今回が最後の出演となります。嫌味で俗っぽく、責任を回避し、ボスに責任を押しつける傾向があるなど、悪役的なところのあった署長ですが、それでも可能な範囲で一係を庇おうとしたところもありますし、なかなかキャラが立っていたと思います。それだけに、今回での退場は残念です。


539話「襲撃」8
 友人の出版記念パーティーに出席すべくレンタカーで水上に向かったトシさんは、道中でダンプに襲われます。何とか切り抜けてボスに連絡したトシさんですが、自分を襲撃してきたダンプを発見し、追跡したところ、途中で乗せたヒッチハイカーに銃を突き付けられます。トシさんはヒッチハイカーもろとも崖から落ち、トシさんは無事だったものの、ヒッチハイカーは死亡します。その後も、バスに乗ったら時限爆弾を仕掛けられ、るなど、トシさんは命を狙われ続けます。犯行意図の読めない不気味な事件でしたが、トシさんとある大物との関係が背景にあると分かります。緊張感の続く展開で、友人が真の黒幕だった、というオチもなかなかよく、わりと楽しめました。それにしても、トシさんは本当に頑丈で、ゴリさんの後任に相応しいのですが、冷静さはゴリさん以上ですから、完璧超人に近い人物造形になっています。

この記事へのコメント

一係の非常勤
2018年09月30日 10:38
#538『七曲署・1983』

#12『彼は立派な刑事だった』にゲスト出演。その後、#55『どぶねずみ』において七曲署に署長として赴任してくることが決まり、#57『蒸発』から正式にセミレギュラーとなった名優平田昭彦が演じた西山署長。

他にも東宝系の野口元夫 日活、東映系の南原宏治 草薙幸二朗が歴代を演じているが、やはり七曲署長といえば、貫禄 スマートさ ダンディーさ と三拍子揃った方は平田氏しかいなかった。
他の一係刑事と並んでも遜色なかったし。
この回が平田氏の最後の出演回となってしまったのがつくづく惜しまれる。

もう少し長く生きておられれば、最終回かその1、2話前のデュークがFBI研修に旅立つ#715『山さんからの伝言』辺りまで出演したのでは と、想像の域は広がるのですが。
2018年12月08日 14:07
最近、平田昭彦氏のゲスト出演回を再視聴しました。本作の多くの視聴者にとって、署長といえばやはり平田氏だと思います。確かにダンディーな方でした。若くして亡くなったのが残念です。もっと生きて、第一部最終回にも出演してもらいたかったものです。

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