アメリカ大陸におけるサル類の移動

 アメリカ大陸におけるサル類の移動に関する研究(Bloch et al., 2016)が公表されました。北アメリカ大陸と南アメリカ大陸は約350万年前まで海で隔てられており、パナマ地峡の出現によってつながりました。その後に続いて起きた陸生動物の移動は、「南北アメリカ生物大交換」として知られています。この研究は、パナマ運河の拡張に伴う新たな発掘で、約2100万年前の前期中新世のサル類の化石が発見されたことを報告しています。これは北アメリカ大陸で初めて見つかった化石サル類となります。この発見は、前期中新世のカリブ海地域では、現在考えられているよりも多くの動植物が海を越えて分散できたという説を裏づけています。以下は『ネイチャー』の日本語サイトからの引用です。


生物地理学:北米で初めて見つかった化石サル類と前期中新世の熱帯域における生物交換

生物地理学:新世界ザルの初期の移動

 南米と北米は約350万年前まで海で隔てられていたが、パナマ地峡の出現によってつながった。それに続いて起こった陸生動物の移動という劇的な出来事は、「南北アメリカ生物大交換(Great American Biotic Interchange)」として知られている。今回、パナマ運河の拡張に伴う新たな発掘で、意外にも、約2100万年前の前期中新世の新世界ザルの化石が発見された。これは、北米大陸で初めて見つかった化石サル類である。この発見は、前期中新世のカリブ海地域では現在考えられているよりも多くの動植物が海を越えて分散できたという説を裏付けている。



参考文献:
Bloch JI. et al.(2016): First North American fossil monkey and early Miocene tropical biotic interchange. Nature, 533, 7602, 243–246.
http://dx.doi.org/10.1038/nature17415

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