ファミリー劇場HDリマスター版『太陽にほえろ!』524話~527話
524話「ラガーのラブレター」8
ラガーがかつて憧れていてラブレターまで出した既婚の女性に、かつて付き合っていたミュージシャンの男性から昔のラブレターが届きます。その女性は、かつて付き合っていた男性との関係が現在の生活を崩すことを怖れている、とラガーに相談します。しかし、捜査が進むと、その女性への疑惑が深まります。その女性が殺人犯ではないか、とボスをはじめとして一係の面々は疑いますが、ラガーはあくまでもその女性を信じようとします。
結局、犯人はその女性を恨む別の女性でした。自分をかつての恋人に仕立てようとした元ミュージシャンの男性を恨み、その延長線上で元ミュージシャンの男性の元恋人も恨んでいた、というわけです。自分に言い寄る男性が一人でも多くいてほしいと考える女性のエゴに、その女性に好意を寄せるラガーが利用されてしまった、という『太陽にほえろ!』では定番の若手刑事の悲恋ものとなっています。視聴前にはさほど期待していなかったのですが、意外と楽しめる話でした。今回も少なくとも一度は視聴しているはずなのですが、すっかり内容を忘れていました。まあそれが幸いして、楽しめたとも言えます。
525話「石塚刑事殉職」10
ついに10年以上在籍していたゴリさんが殉職します。何とも寂しいことですが、ゴリさんの功績を称えて、今回は番組初の延長放送となりました(90分)。ただ、このファミリー劇場HDリマスター版では短縮版の放送となってしまい、たいへん残念です。話の方は、ゴリさんの一本気なキャラが活かされており、よかったと思います。まあ、短縮版では魅力がかなり減じられてしまった感は否めませんが・・・。考えてみると、今回のゴリさんの殉職で、2年3ヶ月も経たないうちに、当時8人いたレギュラー刑事のうち6人が退場したことになりますから、本当に短期間で劇的に変わったなあ、と思います。ナーコも間もなく実質的に退場となりますから、レギュラー9人中7人が2年3ヶ月あまりで退場することになり、番組が長期化するなか、制作陣も試行錯誤していたのでしょう。なお今回の評価は、短縮版ではなく、90分版の評価です。
526話「井川刑事着任!」9
ゴリさんが殉職し、代わりに赴任してきたのはトシさんでした。作中の新たなレギュラー刑事としては初のベテランと言えるでしょう。長さん・ゴリさんと相次いでベテランが退場しただけに、新たなベテラン刑事が必要だと判断されたのでしょう。まあ、ベテランとはいっても、見た目はなかなか若いと思います。トシさんはベテランだけに、これまでの若手刑事の登場回のように単純に暴れまわるわけではなく、基本的には落ち着いた感じです。それだけに、やや地味な感もありますが、酒豪設定などキャラの確立には成功しているように思います。
話の方は、以前トシさんが扱った子供の殺害事件と似た手口の子供の殺害事件が起き、トシさんの家庭事情とも絡んで進みます。トシさんは、七曲署一係の刑事にありがちですが、仕事人間なので、家庭のことは疎かになっています。そのため、トシさんの妻も娘も息子もトシさんには不満・不信を抱いています。トシさんは、事件の解決および息子との関係修復のために、息子を囮に使い、事件は解決します。若手刑事の暴走は愚かさ・未熟さを感じさせるものが多いのですが、トシさんの場合は恐ろしさを感じさせる暴走でした。トシさんは後に離婚しますが、自分の息子を危険な囮に使ったわけですから、当然とも言えるでしょう。犯人役は北条清嗣氏でしたが、期待していたほどには登場時間がなく、この点は残念でした。
527話「雨の降る街」8
ある雨の夜、道路で倒れている男性の近くに女性がいました。偶然通りかかった男性に目撃された女性は逃げ去ります。その現場には、原が女性に貸した傘が落ちていました。原はその女性を見つけ、守ろうとするものの、監禁されて麻薬を打たれてしまいます。刑事が監禁される話は『太陽にほえろ!』の定番の一つであり、刑事が麻薬を打たれた話としては、79話「鶴が飛んだ日」(関連記事)があります。若手刑事の悲恋ものとしての性格も多少あると言えるかもしれませんが、被害者・容疑者の境遇に共感して肩入れするという点で、49話「そのとき、時計は止まった」(関連記事)と通ずるところがあるように思います。麻薬中毒を精神力で克服するという話は今なら大批判を受けるところでしょうが、そうしたところが1980年代前半の作品だと改めて感じさせます。なお、もう1回だけ登場するものの、ナーコは今回で実質的に退場となるようです。
ラガーがかつて憧れていてラブレターまで出した既婚の女性に、かつて付き合っていたミュージシャンの男性から昔のラブレターが届きます。その女性は、かつて付き合っていた男性との関係が現在の生活を崩すことを怖れている、とラガーに相談します。しかし、捜査が進むと、その女性への疑惑が深まります。その女性が殺人犯ではないか、とボスをはじめとして一係の面々は疑いますが、ラガーはあくまでもその女性を信じようとします。
結局、犯人はその女性を恨む別の女性でした。自分をかつての恋人に仕立てようとした元ミュージシャンの男性を恨み、その延長線上で元ミュージシャンの男性の元恋人も恨んでいた、というわけです。自分に言い寄る男性が一人でも多くいてほしいと考える女性のエゴに、その女性に好意を寄せるラガーが利用されてしまった、という『太陽にほえろ!』では定番の若手刑事の悲恋ものとなっています。視聴前にはさほど期待していなかったのですが、意外と楽しめる話でした。今回も少なくとも一度は視聴しているはずなのですが、すっかり内容を忘れていました。まあそれが幸いして、楽しめたとも言えます。
525話「石塚刑事殉職」10
ついに10年以上在籍していたゴリさんが殉職します。何とも寂しいことですが、ゴリさんの功績を称えて、今回は番組初の延長放送となりました(90分)。ただ、このファミリー劇場HDリマスター版では短縮版の放送となってしまい、たいへん残念です。話の方は、ゴリさんの一本気なキャラが活かされており、よかったと思います。まあ、短縮版では魅力がかなり減じられてしまった感は否めませんが・・・。考えてみると、今回のゴリさんの殉職で、2年3ヶ月も経たないうちに、当時8人いたレギュラー刑事のうち6人が退場したことになりますから、本当に短期間で劇的に変わったなあ、と思います。ナーコも間もなく実質的に退場となりますから、レギュラー9人中7人が2年3ヶ月あまりで退場することになり、番組が長期化するなか、制作陣も試行錯誤していたのでしょう。なお今回の評価は、短縮版ではなく、90分版の評価です。
526話「井川刑事着任!」9
ゴリさんが殉職し、代わりに赴任してきたのはトシさんでした。作中の新たなレギュラー刑事としては初のベテランと言えるでしょう。長さん・ゴリさんと相次いでベテランが退場しただけに、新たなベテラン刑事が必要だと判断されたのでしょう。まあ、ベテランとはいっても、見た目はなかなか若いと思います。トシさんはベテランだけに、これまでの若手刑事の登場回のように単純に暴れまわるわけではなく、基本的には落ち着いた感じです。それだけに、やや地味な感もありますが、酒豪設定などキャラの確立には成功しているように思います。
話の方は、以前トシさんが扱った子供の殺害事件と似た手口の子供の殺害事件が起き、トシさんの家庭事情とも絡んで進みます。トシさんは、七曲署一係の刑事にありがちですが、仕事人間なので、家庭のことは疎かになっています。そのため、トシさんの妻も娘も息子もトシさんには不満・不信を抱いています。トシさんは、事件の解決および息子との関係修復のために、息子を囮に使い、事件は解決します。若手刑事の暴走は愚かさ・未熟さを感じさせるものが多いのですが、トシさんの場合は恐ろしさを感じさせる暴走でした。トシさんは後に離婚しますが、自分の息子を危険な囮に使ったわけですから、当然とも言えるでしょう。犯人役は北条清嗣氏でしたが、期待していたほどには登場時間がなく、この点は残念でした。
527話「雨の降る街」8
ある雨の夜、道路で倒れている男性の近くに女性がいました。偶然通りかかった男性に目撃された女性は逃げ去ります。その現場には、原が女性に貸した傘が落ちていました。原はその女性を見つけ、守ろうとするものの、監禁されて麻薬を打たれてしまいます。刑事が監禁される話は『太陽にほえろ!』の定番の一つであり、刑事が麻薬を打たれた話としては、79話「鶴が飛んだ日」(関連記事)があります。若手刑事の悲恋ものとしての性格も多少あると言えるかもしれませんが、被害者・容疑者の境遇に共感して肩入れするという点で、49話「そのとき、時計は止まった」(関連記事)と通ずるところがあるように思います。麻薬中毒を精神力で克服するという話は今なら大批判を受けるところでしょうが、そうしたところが1980年代前半の作品だと改めて感じさせます。なお、もう1回だけ登場するものの、ナーコは今回で実質的に退場となるようです。
この記事へのコメント
ファミリー劇場の「太陽にほえろ!」は現在二週目だと思うんですが、一周目も60分短縮版でした。約8年ほど前のことで、あまりにもがっかりだったので視聴後あわててvapのVHSを購入しました。
何年か経過し、日テレプラスでのスペシャル版放送の情報を得ました。これには飛びつきましたね。リアルタイムから数えると約31年ぶりのことですから、迷わず視聴契約しました。
ファミ劇の『太陽にほえろ!』は2時間枠ですから、調整の難しい90分版だったのが災いしたのかもしれません。
むしろ、2時間版の他の特別回の方がそのまま放送してくれそうな気もします。
実はまだ本放映時にも、視聴したことがなく、今回のファミリー劇場の放映の録画チェックをしていたら(視る暇はなくても、DVDに焼き付ける作業は続けています)
あれ、確かこれって90分スペシャルじゃなかったかな❓と疑問に思ったのですか、短縮版だったのですね。
しかし、単純計算でも内容を2/3にカットするとは、なかなか乱暴な話です。
(作品が成立するのだろうか?)
月末の90分放映を忘れずにチェックします。
しかし、ロッキー、長さん、ゴリさんが、立て続けに退場。
番組降板は仕方ないとしても、殉職の乱用は、いささか不満があります。
ロッキーかゴリさんのどちらかは、転勤という形での退場で、良かったのではないかと、思っています。
ここでは話の内容よりも、この番組の殉職の多さについて少し。
あまりの殉職の多さにより、実際の警察官の家族から、『あんなにちょくちょく刑事は死なない』というクレームがきて、#475でスニーカーが退職という形になったのは太陽ファンならばご存じの通り。
番組チーフプロデューサーの岡田氏が、駆け出しのころ、先輩の方に相談したところ(殉職について)、『人間は幸せの絶頂の時に死んでいくのが一番儚く美しく見えるんだ』と言われたそう。
だから太陽のドラマの中に出てくる刑事は(ブルース登場以前では、若手刑事であるロッキーと、ベテランの長さん以外)誰一人幸せになっていない。
製作者側の勝手な意図で殉職が慣例化してしまったり、主人公がいくら刑事とはいえ、人の死が軽く見られてしまった点については、(視聴率アップの成功面だけが大きく取り上げられがちですが)番組の罪は大きいと思います。
故・地井武男さん演じる井川利三刑事 『スッポンのトシさん』の登場編。
ここでは、トシさんの人物設定について。立ち位置的には、ゴリさんと長さんを合わせた役回りらしいが、トシさんにはトシさんのちゃんとした魅力的な設定(一度捜査に専念したら逮捕するまで容疑者からは離れない 酒に強い等)があるのだから、無理にそこまでしなくても。
長さんの家庭が、家族が理解のある幸福な家庭だったので、(山さんも奥さん(高子)は心臓病だったが家庭自体は平穏だった)トシさんの家庭はあえて不幸な展開にした と。
でも、ドラマの中のトシさんの家庭のように、あれほど刑事の仕事に理解のない家族はありえないと思うんだが。
(いくら前の刑事と設定を変えようとは思っても)
地井武男という役者自体は好きだったが、役柄については、いささかやり過ぎだったような気が。