大河ドラマ『真田丸』第3回「策略」

 これは1月25日分の記事として掲載しておきます。武田家滅亡という大きな変化の中での真田家と他の信濃国衆の動向、信繁をめぐる恋模様、村落間の争い、徳川家中の人間模様、信繁にとって義兄となる小山田茂誠の行方、信幸の悲哀など、今回も色々と見所がありました。これまでの3回は、ずっと密度が濃いと思います。武田家滅亡前後から後北条家の滅亡あたりまでは、真田家と当主の昌幸を軸にするとたいへん面白い物語なりそうですから、この分ならば、今後もかなり期待できそうです。不安なのは、関ヶ原の戦い後から大坂の陣までの配流期間なのですが、まあ今から心配しても仕方ないでしょうか。

 1979年放送の大河ドラマ『草燃える』程ではないかもしれませんが、本作も台詞がかなり現代語調なので、その点では批判する視聴者が少なくないかもしれません。しかし、国衆の動向や山をめぐる争いなど、戦国時代の雰囲気はかなり出ているのではないか、と思います。まあ、この十数年間、中世~近世移行期の勉強がほとんど進んでいない門外漢の私の感想ですから、的外れかもしれませんが、個人的にはこれまでのところ大河ドラマ・歴史ドラマとして楽しめています。

 信繁をめぐる恋模様は、視聴者の批判が多そうで、不要だとの意見が目につくことになるかもしれません。ただ、今回の恋模様はまずまずの面白さになっていましたし、さほど時間が割かれないのなら、本作の足を引っ張ることにはならないでしょう。今後の展開で注目されるのは、信幸の悲哀というか、昌幸と信幸との間の溝です。この親子が道を違えることになった経緯に説得力を持たせるために、序盤からしっかりと話が造られている感じがして、なかなかよいと思います。これまでの3回は個人的な期待以上の面白さなので、今後もこの調子で続いていってもらいたいものです。

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