ファミリー劇場HDリマスター版『太陽にほえろ!』500話~503話

500話「不屈の男たち」7
 記念作品となります。過去の記念作品は、100話「燃える男たち」
https://sicambre.seesaa.net/article/201107article_5.html
200話「すべてを賭けて」
https://sicambre.seesaa.net/article/201209article_6.html
300話「男たちの詩」
https://sicambre.seesaa.net/article/201211article_4.html
400話「スコッチ・イン・沖縄」
https://sicambre.seesaa.net/article/201410article_18.html
です。

 今回は、とくに明確な特定の主人公がいるというわけではなく、一係全員が主人公といったところでしょうか。その意味では、100話「燃える男たち」・300話「男たちの詩」と通ずるところがあるように思います。話は、著名な芸術家の大学教授が狙われている理由と犯人の解明が軸になります。なかなか真相が見えてこず、話が二転三転したので、終盤まで謎解きの面ではなかなか楽しめました。海外や地方でのロケがあったわけではないのですが、記念作品としてなかなか力が入っていたように思います。

 今回も内容をほとんど覚えていなかったのですが、最後の一係でのやり取りで原が松田聖子と答えたことは記憶にありました。振り返ってみると、『太陽にほえろ!』で子供時代に見た話に関しては、どうも話の本筋に関係ない断片的なやり取りを記憶していることが多いように思います。私の個性なのか、それとも子供時代ゆえの特徴なのでしょうか。命を狙われた著名な芸術家を演じたのは、当時三十代後半の北村総一朗氏です。


501話「ある巡査の死」6
 ラガーのランニング仲間で、ラガーだけではなく多くの人から尊敬され慕われていた君原巡査が、銀行強盗事件でラガーを庇い殉職します。大物警察官僚である君原巡査の父と衝突するなど、ラガーは悩み、刑事を辞めようとも考えます。警視庁上層部はラガーに謹慎一ヶ月の処分をくだそうと考えますが、ボスをはじめとして一係はラガーを励まし、ラガーはその期待に応えようとします。若手刑事の悩みとその克服・成長という『太陽にほえろ!』の定番で、これまではラガーの未熟な演技がどうも作品を壊している感じでしたが、今回は話に合っているように思えました。長さんが相変わらずラガーを息子のように見ていて心配している場面は、なかなかよかったと思います。


502話「癖」9
 ドックだと偽った男性による結婚詐欺事件が明らかになります。しかも、複数の男性がドックだと偽っていました。すると、今度はロッキーと偽った男性による結婚詐欺事件が明らかになります。しかし、三人による詐欺事件と思われたものの、この三人には共通する癖がありました。髭・眼鏡・鬘などの変装を除外すると、この三人はよく似た容貌をしており、同一人物ではないか、と一係は推測します。ドックとロッキーは、その癖を持つ似た顔の人物に思い当たる節がありました。それはかつてドックとロッキーが接触したことのあるラーメン店の店主でした。

 状況証拠からは、ラーメン店の店主であるその男性が怪しいと思われましたが、好漢なので犯人ではないだろう、とロッキーは考えます。一方ドックは、店主が犯人だと考えます。結局、そのラーメン店の店主は犯人ではなく、別人が真犯人でした。今回は喜劇調で話の結末が見えにくかったので、なかなか楽しめました。この時期の話は少なくとも一度は視聴しているはずなのですが、内容はほとんど覚えていません。しかし今回のロッキーの癖の話はよく覚えていました。容疑者のラーメン店の店主と真犯人の二役を演じたのは先日亡くなった阿藤快(当時の芸名は阿藤海)氏です。話の本筋とは関係ありませんが、原が山さんに煙草を渡して火をつけている場面から、原が一係に馴染んできていることが窺えます。


503話「山さんとラガー」7
 『太陽にほえろ!』ではたまにある、レギュラー刑事二人のニックネームがタイトルとなる回です。この場合、話が面白くなることを意図してか、両者の個性が対照的な場合が多いと思います。今回も、ベテランの山さんと若手で未熟なラガーという対照的な二人の主演となっています。この組み合わせだと、ベテランの山さんによる若手のラガーの教育という側面もあります。話は、強盗殺人事件をめぐる謎および容疑者である父親とその息子との関係を軸に進みます。謎解き的要素とヒューマンストーリー的要素があり、山さんが養子を迎えたことも踏まえた話となっていて、なかなか楽しめました。

この記事へのコメント

いち
2015年12月28日 13:42
こんにちは。「太陽・・・」はそもそも青春ドラマであると聞きました。(私は青春≒青さ≒未熟と考えます。) 80年代に入り時代が未熟から成熟に向かっていたこともあり、この頃は青春を忘れかけていた時期だったと思います。
「ある巡査の死」ですが、冒頭でのシーン。夕日をバックにラガーと君原巡査が川沿をランニング。いわゆる青春を描いていました。 君原巡査を演じてたのは、美木良介。美木氏といえばかつては高校球児。青春時代を野球で過ごした俳優。今やロングブレス健康法で、若さを持続している意味では、やはり青春がよく似合う俳優ではないでしょうか?
そんな美木良介の出演時間はわずかなものでしたが、その後の活躍を見れば貴重な作品だったと思います。
2015年12月28日 18:44
そう言えば、『太陽にほえろ!』は元々青春ドラマという位置づけでしたね。

1980年代に入ると、そうしたかつての青春ドラマの「熱さ」が受けないというか馬鹿にされるような風潮が強くなっていったように思います。

今にして思うと、『太陽にほえろ!』の制作陣もそうした時代風潮を強く意識していたのかもしれません。
なんてこったい(!!)
2015年12月29日 00:44
なぜか、ビデオソフトではラガー主演作品として収録されていました第500話ですが、OPのハイライト部分ではジプシーの単独カットが多く、本編でも最終出演作品の第593話「ジプシー再び」のみと思われたバイクでの追跡劇が存在していました。メインゲストの大学教授夫人役の吉野佳子(現・由樹子)氏は、半年後にトシさん(井川刑事)夫人の井川圭子を演じる事になりますが、第488話「過去」にゲスト出演された有吉ひとみ氏(のちのボギーの姉・春日部正子役)同様、新刑事の家族役の候補者としてのゲスト出演と思っていました(ただの偶然かも知れませんが……)。
2015年12月29日 18:42
そう言えばトシさんには妻子がいましたね。長さんと比較すると、家庭生活は不幸だったように思います。

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