尾索動物に見られる頭部の原型

 これは11月7日分の記事として掲載しておきます。尾索動物に見られる頭部の原型についての研究(Abitua et al., 2015)が公表されました。脊椎動物と他の動物、とくに最も近縁な尾索動物(被嚢類)とを区別する上で分かりやすい特徴は、眼・耳・鼻といった特殊な感覚器官を備えた頭部の存在とされています。この研究は、尾索動物に頭部の原型は存在するのか、検証しています。その結果、尾索動物のカタユウレイボヤ(Ciona intestinalis)に、脊椎動物の特殊な感覚器官の基盤を作る神経プラコードとおそらく相同な、「原型プラコード」を形成するための遺伝的要素が備わっていることが明らかになりました。以下は『ネイチャー』の日本語サイトからの引用です。


発生生物学:脊椎動物以前の神経プラコードの起源

発生生物学:無脊椎動物に見られる頭部様の前駆構造

 脊椎動物と他の動物、特に最も近縁な尾索動物(被嚢類)とを区別する上で、おそらく最も分かりやすい特徴は、眼、耳、鼻といった特殊な感覚器官を備えた頭部の存在である。では、尾索動物には頭部の原型は存在しているのだろうか。M Levineたちの今回の研究によれば、その答えは条件付きのイエスだ。彼らは、尾索動物のカタユウレイボヤ(Ciona intestinalis)に、脊椎動物の特殊な感覚器官の基盤を作る神経プラコードとおそらく相同な「原型プラコード」を形成するための遺伝的要素が備わっていることを明らかにした。



参考文献:
Abitua PB. et al.(2015): The pre-vertebrate origins of neurogenic placodes. Nature, 524, 7566, 462–465.
http://dx.doi.org/10.1038/nature14657

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