ファミリー劇場HDリマスター版『太陽にほえろ!』480話~483話

480話「年月」8
 片想いの男性と無理心中を図ったために刑に服していた女性が出所します。山さんはその女性を執拗に追い続けます。山さんは、その女性は片想いの相手と無理心中を図ったのではなく、相手の男性が老人をひき逃げした証拠を消そうとして無理心中に見せかけたのではないか、と考えていました。証拠はまったくないなか、山さんは年月が人の心を変えることに賭けていました。

 山さんが追い続けるその女性を正体不明の男性もずっと監視するなど、謎めいた話になるのかな、とも思ったのですが、事件の真相は割と早く見えてきました。しかし、人間心理の機微が描かれていて、なかなか楽しめました。メインゲストの方の演技が上手ければ9点評価にしたところですが、この点は残念でした。もっとも、それもさほど気にならなくなるほどに、ラガーの演技があまりにも下手で浮きすぎているのが気になりました。これが作品の質を損ねています。初視聴時には気にならなかったと記憶しているのですが、そのうち慣れるのでしょうか。


481話「闇の中の殺人者」4
 すっかり影の薄くなったロッキーの主演作です。このところ、ロッキーの主演作にはほとんど令子が登場するような印象があるのですが、今回も令子が登場します。ロッキーの存在感があまりにも薄いので、準レギュラーでわりと人気があっただろう令子と結婚させるというテコ入れをしたのではないか、とさえ邪推したくなります。話は、夜間に強盗を繰り返す犯人を一係が追うという展開なのですが、犯人像と動機がなかなか見えてこない不気味さがありました。しかし、地味な話で盛り上がりに欠けた感は否めません。オチもいまいちでした。


482話「ラッサ熱」4
 『太陽にほえろ!』ではたまにある感染症ものです。犯人は早い段階で明示されたので、謎解き的要素は少なかったのですが、ラッサ熱に感染した犯人をどう逮捕するのか、というアクションシーンはそこそこ楽しめました。ただ、全体的には盛り上がりに欠けた感は否めず、最後も強引だったように思います。ラガー主演作だけに、ラガーの演技の未熟さはたいへん気になってしまいました。若手刑事の未熟さは『太陽にほえろ!』の定番ですが、演者があまりにも大根だと、かなりきついのだなあ、と改めて思ったものです。率直に言って、テキサスが登場した頃よりもかなりきつく、この先の視聴も不安になります。


483話「落し穴」8
 ドックは立て続けに危険な目に遭います。ゴリさんは、ドックはこのところついていない、と軽く考えますが、山さんは、ドックは狙われているのではないか、と考えます。ドックを狙った犯人の見当はなかなかつかなかったのですが、ホステス殺しの容疑者が、犯行当夜にドックに目撃されていたため、ドックを狙ったのではないか、という結論に一係は達します。一係は犯行の証拠をなかなかつかめませんが、ドックは賭けに出て、犯行の証拠をつかみます。ここは強引でしたが、適度に喜劇調でしたし、ドックの失恋も絡めてなかなか面白い話になっていたと思います。

この記事へのコメント

いち
2015年10月20日 20:09
こんばんは。「闇の中の殺人者」ですが、ラストのプールで格闘するシーンはロッキー、ラガー、そしてドックも飛び込む予定だったみたいです。あまりにも水が汚かったので、ドックだけ飛び込みませんでした。→初期の「笑っていいとも!」テレフォンショッキング神田正輝→渡辺徹の中で言ってました。数年前にyou tubeで見た情報です。
2015年10月21日 00:20
このような裏話も面白いと思います。長寿番組でしたから、私の知らない裏話は多そうです。
たけぽん
2015年11月24日 16:55
ドックこと、神田 正輝さんは、『俺たちは天使だ!』の頃は、まだ目立たない俳優さんでしたが、『太陽にほえろ!』で、一気にブレイクしましたね。

神田 正輝さんは、ロッキーやゴリさんはともかく、後輩のボギーやラガーにも、殉職の先を越されたと、述懐しておられました。

時代に迎合したライトなキャラクターのドックですが、確かに、どんなシチュエーションの殉職がしっくりくるのかは、想像が出来ませんでした。

ゴリさん、スコッチ亡きあとの現場の陣頭指揮官のポジションまで任されたドック。

後半の『太陽にほえろ!』を支えてくれたことは間違いありません。
2015年11月24日 17:50
ドックが『太陽にほえろ!』の後半期を支えたのは間違いありませんね。最近ドック登場以降を再視聴していて、以前よりもドックへの印象はよくなりました。

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