大河ドラマ『花燃ゆ』第24回「母になるために」

 久坂玄瑞は小田村伊之助(楫取素彦)・寿夫妻の次男である久米次郎を養子に迎えようとします。久坂は決死の覚悟で京都に行き、八月十八日の政変の政変による長州の政治的退勢を挽回しようとしていたので、跡継ぎを決めておこうとしていたのでした。久坂は、八月十八日の政変を見抜けなかった自分の失策に責任を感じていました。文は前原一誠に頼まれ、長州へと都落ちしてきた七卿の世話で多忙になった奇兵隊の食事の用意をするようになります。ある晩、文は三条実美に呼び止められ、三条の本音を聞かされ、京都で戦いが起きる可能性を知ります。あまり事績の伝わっていない文を目立たせようとする工夫が窺われる脚本です。

 京都に潜入した久坂は、新撰組の沖田総司に呼び止められます。進退窮まった感のある久坂を救ったのは、駆けつけて来た高杉・吉田稔麿・入江九一でした。高杉は沖田に拳銃を突きつけ、4人は何とか逃れます。本作では長州の敵役としての役割を担うだろう新撰組は今回が初登場で、同じような立場の『龍馬伝』の時と似たような、不気味な集団として描かれることになりそうです。相変わらず、高杉には見せ場があるものの、久坂が情けない人物として描かれているのは残念です。寿の告白は、これまでの人物造形・描写と大きな齟齬があったわけではない、と思います。相変わらず抜群に面白いわけではないのですが、いよいよ第二の山場が近づいてきたので、何とか盛り上がってもらいたいものです。

この記事へのコメント

ぽよっぽ
2015年06月17日 01:47
政変で落ち延びた公家たちを寄兵隊が警備し、女性陣は料理を担当してましたね。文が三条実美の好物である八つ橋を作ってみるシーンがありましたが、八つ橋は江戸時代にはあったんですね。ちなみに私は生八つ橋の方が好きですが、固い八つ橋の方が先でしょう。
久坂夫妻が久米次郎を養子にもらい、玄瑞も父親らしく何かを成したいと 再び京へ行くのですが、三人が親子として過ごせた時間は短かったと思うと切なくなりますね。後に隠し子問題も出ますし。
来週は池田屋事件が起こるようです。これから松下村塾関係者が次々と世を去り、物語も転換期に来ているのかもしれません。
2015年06月17日 23:57
池田屋事件~禁門の変で物語は一区切りとなるようですね。

その後は「大奥編」となるようですが、久坂が退場となるので、小田村と高杉を通じて歴史の激動を描くことになりそうです。
ひろし
2015年06月18日 15:09
今回は新撰組の初登場しか印象に残りませんでした。
何故か沖田総司が、目立ちました。
確かに雰囲気は『龍馬伝』っぽかったですが、不気味差はあちらの方が上でした。
ちょっと前に登場した、坂本龍馬同様、余り印象に残らず、パッとしませんでした。
主役の夫が危機的な状態なのに、何故か緊張感が皆無でした(笑)。
まあ、肝心な久坂に魅力が無いからか。

共感する筈の、吉田稔麿兄妹のお別れも、殆ど印象に残らなかったのが残念。

相変わらず、薄くて印象に残らない内容だったので、少し話題を変えます。
今回の内容とは全く関係無いのですが、孝明天皇の不在が気になります。
この時代では、重要度が非常に高いにも関わらず、殆どスルーです。
中間付近になっても、出番0とは意外でした。
ナレーションでも、殆ど語らないのが気になります。
出番が少ない桂小五郎はともかく、これは酷い扱いです。
一昨年の『八重の桜』では、はっきりと孝明天皇の長州藩への怒りと険悪感が描かれましたし。
相変わらず重要人物の活躍はスルーで、どうでもいい所は無駄に長いですね(汗)。

来週は池田屋で、中間地点です。
早いですね。
とても長く感じられました(汗)。

それでは~
2015年06月18日 20:22
長州視点の作品だと、孝明天皇を登場させにくいかもしれませんね。

やはり、ある程度以上は長州を美化して描かねばならないでしょうし。

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