スナック食品をやめられない理由
スナック食品をやめられなくなる理由についての研究(Hoch et al., 2015)が公表されました。高カロリーの食物や脂肪分・炭水化物を多く含む食物は、通常の満腹状態を超えた過剰摂取の引き金となる可能性があり、エネルギー摂取量の増加は体重の増加につながることがあります。そうした食物は脳の報酬系内の活動を変化させると考えられており、ラットにポテトチップを与える過去の研究で観察されました。こうしたことから、スナック食品のエネルギー含量が報酬特性と美味しさの重要な決定要因であり、それが摂取量の増加を引き起こしている、との見解も提示されています。
この研究は合計18匹のラットを使った実験を行ない、ラットに標準的な餌または脂肪と炭水化物の含有率をさまざまに設定した試験食を与えました。その結果、ラットが最も美味しく感じたのはポテトチップの成分に最も近い試験食でした。このことから、スナック食品をやめられなくなる理由として、エネルギー含量という絶対値ではなく、脂肪と炭水化物の割合が重要な役割を果たしているのではないか、と示唆されています。ただ、そのさいの報酬と依存に関連する脳領域の活動パターンへの影響は、ラットにポテトチップを与えた過去の研究で観察されたほど強くはなかったので、スナック食品を好む摂食行動は、脂肪と炭水化物以外の成分の影響も受けている可能性が高い、と指摘されています。たとえば、塩はその候補なのかもしれません。以下は『ネイチャー』の日本語サイトからの引用です。
【栄養】スナック食品をやめられない理由
スナック食品が食欲をそそるのは、スナック食品に含まれる脂肪と炭水化物の割合が重要な役割を果たしているからだという考え方が明らかになった。これは、小規模なラットの研究から示唆されたものであり、この研究結果を報告する論文が、今週掲載される。ただし、こうした特性が食物の過剰摂取の引き金になるかどうかは分かっていない。
高カロリーの食物、脂肪分の多い食物や炭水化物を多く含む食物は、通常の満腹状態を超えた過剰摂取の引き金となる可能性があり、そうしたエネルギー摂取量の増加は体重の増加につながることがある。それらの食物は、脳の報酬系内の活動を変化させると考えられており、そのことは、ラットにポテトチップを与える研究において観察された。また、スナック食品のエネルギー含量が報酬特性とおいしさの重要な決定要因であり、それが摂取量の増加を引き起こしているという学説も提起されている。これに対して、Monkia Pischetstriederたちは、ラットが特定の食物を非常においしいと感じるのは、エネルギー含量という絶対値ではなく、食物中の脂肪と炭水化物の割合のためであることを明らかにした。
今回の研究では、合計18匹のラットを使った実験が行われ、標準的なラットの餌または(さまざまな脂肪と炭水化物の含有率が設定された)試験食が与えられた。ラットはポテトチップの成分に最も近い食物を最もおいしいと感じ、これが報酬と依存に関連する領域における脳の活動パターンに影響を及ぼすことが明らかになったが、ラットにポテトチップを与えた過去の研究で観察されたほど強い影響ではなかった。従って、摂食行動はスナック食品の別の成分の影響も受けている可能性が高いとPischetstriederたちは結論づけている。
参考文献:
Hoch T. et al.(2015): Fat/carbohydrate ratio but not energy density determines snack food intake and activates brain reward areas. Scientific Reports, 5, 10041.
http://dx.doi.org/10.1038/srep10041
この研究は合計18匹のラットを使った実験を行ない、ラットに標準的な餌または脂肪と炭水化物の含有率をさまざまに設定した試験食を与えました。その結果、ラットが最も美味しく感じたのはポテトチップの成分に最も近い試験食でした。このことから、スナック食品をやめられなくなる理由として、エネルギー含量という絶対値ではなく、脂肪と炭水化物の割合が重要な役割を果たしているのではないか、と示唆されています。ただ、そのさいの報酬と依存に関連する脳領域の活動パターンへの影響は、ラットにポテトチップを与えた過去の研究で観察されたほど強くはなかったので、スナック食品を好む摂食行動は、脂肪と炭水化物以外の成分の影響も受けている可能性が高い、と指摘されています。たとえば、塩はその候補なのかもしれません。以下は『ネイチャー』の日本語サイトからの引用です。
【栄養】スナック食品をやめられない理由
スナック食品が食欲をそそるのは、スナック食品に含まれる脂肪と炭水化物の割合が重要な役割を果たしているからだという考え方が明らかになった。これは、小規模なラットの研究から示唆されたものであり、この研究結果を報告する論文が、今週掲載される。ただし、こうした特性が食物の過剰摂取の引き金になるかどうかは分かっていない。
高カロリーの食物、脂肪分の多い食物や炭水化物を多く含む食物は、通常の満腹状態を超えた過剰摂取の引き金となる可能性があり、そうしたエネルギー摂取量の増加は体重の増加につながることがある。それらの食物は、脳の報酬系内の活動を変化させると考えられており、そのことは、ラットにポテトチップを与える研究において観察された。また、スナック食品のエネルギー含量が報酬特性とおいしさの重要な決定要因であり、それが摂取量の増加を引き起こしているという学説も提起されている。これに対して、Monkia Pischetstriederたちは、ラットが特定の食物を非常においしいと感じるのは、エネルギー含量という絶対値ではなく、食物中の脂肪と炭水化物の割合のためであることを明らかにした。
今回の研究では、合計18匹のラットを使った実験が行われ、標準的なラットの餌または(さまざまな脂肪と炭水化物の含有率が設定された)試験食が与えられた。ラットはポテトチップの成分に最も近い食物を最もおいしいと感じ、これが報酬と依存に関連する領域における脳の活動パターンに影響を及ぼすことが明らかになったが、ラットにポテトチップを与えた過去の研究で観察されたほど強い影響ではなかった。従って、摂食行動はスナック食品の別の成分の影響も受けている可能性が高いとPischetstriederたちは結論づけている。
参考文献:
Hoch T. et al.(2015): Fat/carbohydrate ratio but not energy density determines snack food intake and activates brain reward areas. Scientific Reports, 5, 10041.
http://dx.doi.org/10.1038/srep10041
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