大河ドラマ『花燃ゆ』第16回「最後の食卓」
今日はもう1本掲載します。吉田寅次郎(松陰)が江戸に召喚されることになり、江戸にいる周布政之助と高杉晋作は必至になって情報を探ろうとします。兄の梅太郎から江戸への召喚が決まったと知らされた松陰ですが、この場ではとくに動揺する様子を見せません。松陰の頼みで松陰の肖像画を描いた松浦亀太郎は、魚を扱っていた経験から、松陰が自暴自棄になったわけでもすっかり気力を喪失したわけでもないことを見抜いていました。
梅太郎と文は一時でも松陰を帰宅させられないか、小田村伊之助(楫取素彦)に頼みますが、上手くいかず、文はその後も、松陰を一時的に帰宅させられないか、色々と交渉します。そんな文にたいして、松陰がその志を遂げることを見守るよう、高須久子は諭します。松陰は妹の寿の取り成しもあり、一時帰宅を黙認されます。文は松陰に路銀を用意し、江戸に行かないよう説得しますが、松陰は断り、江戸に赴いて幕府高官に自身の志を説き、必ず帰ってくると約束します。
今回は松陰の覚悟が描かれましたが、文は松陰の覚悟を印象づけるための役割を担っており、伝わっている言動・事績の少ない文を主人公とした苦労が窺えます。今更言っても仕方のないことですが、文を主人公にしたうえで、「英雄史観」を基本とした連続ドラマを制作するにのはやはり無理があった、と言うべきなのでしょう。本作が幕末長州を舞台としたことについて、現政権との関係が噂されていますが、現政権への諂いという要素が皆無ではないにしても、それは主因ではないだろう、と思います。
近年の大河ドラマは戦国時代と幕末を交互に題材とする傾向にあり、今年は戦国時代の次ということで、まず幕末を題材にすると決まったのでしょう。幕末大河で長州視点からのものは1977年の『花神』以降しばらくなく、その間に幕府・会津・薩摩・土佐の視点からの大河ドラマが制作されているので、長州視点と決まったのだと思います。さらに、近年の大河ドラマでは連続して同じ性別の人物を主人公としない、というような慣行があるため、今年は女性の文が主人公となったのでしょう。
おそらく、『篤姫』の(視聴率的な意味での)大成功により、それ以前は視聴率を取りにくいと言われていた幕末の大河ドラマとしての題材の評価が上がり、女性主人公を積極的に取り上げればよいのではないか、との判断がNHK側にはあるのでしょう。今年は幕末が題材で女性主人公の番だということで、文が主人公となったのでしょうが、製作者側にも視聴者側の多くにも、大河ドラマは「英雄史観」であるべきだとの認識がおそらく強い中で、基本的には前近代の日本社会を題材とするのに、2年に1回女性主人公となれば、本作のように視聴率が低迷することがあっても仕方ないかな、とは思います。NHKには、まずは『篤姫』での「成功幻想」から脱却してもらいたいものですが・・・。
梅太郎と文は一時でも松陰を帰宅させられないか、小田村伊之助(楫取素彦)に頼みますが、上手くいかず、文はその後も、松陰を一時的に帰宅させられないか、色々と交渉します。そんな文にたいして、松陰がその志を遂げることを見守るよう、高須久子は諭します。松陰は妹の寿の取り成しもあり、一時帰宅を黙認されます。文は松陰に路銀を用意し、江戸に行かないよう説得しますが、松陰は断り、江戸に赴いて幕府高官に自身の志を説き、必ず帰ってくると約束します。
今回は松陰の覚悟が描かれましたが、文は松陰の覚悟を印象づけるための役割を担っており、伝わっている言動・事績の少ない文を主人公とした苦労が窺えます。今更言っても仕方のないことですが、文を主人公にしたうえで、「英雄史観」を基本とした連続ドラマを制作するにのはやはり無理があった、と言うべきなのでしょう。本作が幕末長州を舞台としたことについて、現政権との関係が噂されていますが、現政権への諂いという要素が皆無ではないにしても、それは主因ではないだろう、と思います。
近年の大河ドラマは戦国時代と幕末を交互に題材とする傾向にあり、今年は戦国時代の次ということで、まず幕末を題材にすると決まったのでしょう。幕末大河で長州視点からのものは1977年の『花神』以降しばらくなく、その間に幕府・会津・薩摩・土佐の視点からの大河ドラマが制作されているので、長州視点と決まったのだと思います。さらに、近年の大河ドラマでは連続して同じ性別の人物を主人公としない、というような慣行があるため、今年は女性の文が主人公となったのでしょう。
おそらく、『篤姫』の(視聴率的な意味での)大成功により、それ以前は視聴率を取りにくいと言われていた幕末の大河ドラマとしての題材の評価が上がり、女性主人公を積極的に取り上げればよいのではないか、との判断がNHK側にはあるのでしょう。今年は幕末が題材で女性主人公の番だということで、文が主人公となったのでしょうが、製作者側にも視聴者側の多くにも、大河ドラマは「英雄史観」であるべきだとの認識がおそらく強い中で、基本的には前近代の日本社会を題材とするのに、2年に1回女性主人公となれば、本作のように視聴率が低迷することがあっても仕方ないかな、とは思います。NHKには、まずは『篤姫』での「成功幻想」から脱却してもらいたいものですが・・・。
この記事へのコメント
同感です。幾ら幕末女性主役が成功したからと言って、毎回必ず成功するとは限りません。流石に2作連続幕末大河で主役が女性とは無理があります。特に今回は、近年ではマイナー中のマイナーで、殆ど主役としては活躍されてないのが残念。再来年は再び幕末になると思いますので、3作連続幕末女性主役は厳しいと思います。思い当たる女性主役が全く浮かびませんから、男性の可能性がほぼ間違いないと思います。
-視聴率
今回は通常の時間帯に戻ったので、前回よりも少し上がり、辛うじて2桁(10.7%)でした。現時点の平均は13%台(13.03%)。
まあ、この調子で行けば、最終的には私の予想された11~13%台になると思いますが、過去作の経験を見れば、残念ながらこの先まだまだ下がると思います。
来週の29日に総集編が放送されるそうです。
内容は、恐らく第1話~第17話(丁度全編の3分の1)だと思います。
5月前に放送されるとは異例です。
まあ、去年は幽閉前にやってたそうですが、こんなに早くやるとは予想外。
明らかに、製作側のテコ入れですね。
『平清盛』も前半総集編を流せば、視聴率回復したと思います(まあ、内容が朝に放送するのには、無理があると思いますが)。
来年も、同じ様に早く総集編が放送されるのか気になります。
それでは~
近年の傾向からすると、再来年は幕末となりそうですね。ただ、このままだと男性主人公の戦国時代と女性主人公の幕末で固定されそうなので、そろそろ2年連続で男性主人公とするか、幕末ではなく江戸時代中期を舞台にしそうな気もします。