大河ドラマ『花燃ゆ』第10回「躍動！松下村塾」

　今回は吉田稔麿の江戸行きの話を中心に物語が動いていきました。吉田寅次郎（松陰）の門下生がなかなかキャラ立ちしていることや、それを志という観点から描き出したことはよかったと思います。松下村塾では久坂玄瑞と高杉晋作という対照的な個性の二人が中心になって描かれていきそうですが、その他では、今回の準主人公とも言える吉田稔麿と、それに次いで目立っていた伊藤利助（博文）や、今回が実質的に初登場となった前原一誠も重要人物として描かれそうです。

　前原一誠の他の有名人では、長井雅楽も今回が初登場となりましたが、いずれも今回は顔見世程度の出番でした。有名人物については、まず顔見世的に登場させ、前回の高杉晋作や今回の伊藤利助のように、その次回か数回後で本格的に描くという手法が採用されているようです。長期の連続ドラマとして、視聴者を逃さないようにするための工夫なのでしょう。ただ、視聴率の低下を防げていないのが残念ではあります。

　主人公を文とした以上、文が他の主要人物に絡んでいくのは仕方のないことなので、今回のように文が吉田稔麿の江戸行きに関わっていたという話も、主人公補正として受け止めておくと、より楽しくというか、よりストレスを溜めずに視聴できるのではないか、と思います。話としては盛り上がりつつあるように思うのですが、大河ドラマのような一話完結ではない長期連続ドラマで、途中から視聴者を引き込むのはなかなか難しいでしょうから、残念ながら今後も視聴率の低迷は続きそうです。

Comments

[ひろし]

今回で、物語の５分の１が経過しました。
序盤は、私の不安どおり、ダラダラ・脱力感が漂り、最悪なスタートでしたが、松下村塾設立・高杉晋作登場からは、それ並に面白くなったと思います。
大河としてはともかく、ネタ的としては、楽しめました（笑）。
個人的に、こう言う感じの内容なら、大河枠でなく、ＢＳ時代劇や木曜・土曜時代劇枠、もしくは民放系列（ＴＢＳなど）で放送すれば、もっと受けが良かった様な気がします。
今回の内容は、完全にそれに相応しかったし。

河豚ネタが面白かったです。
伊藤博文がフグを解禁することへの伏線だそうですが、主役とはほぼ無関係だったので、それ程重要度が感じられませんでしたが、工夫力があったのは評価します。
まあ、肝心の配役が残念なのは、否めませんが。
何時か、伊藤博文が主役の大河が観てみたいです。

河豚が食べたくなった内容でした。
全国のスーパーや魚屋さんは、河豚の注文が殺到したりして（笑）。
皆上手そうに食べてましたし。
ある意味、良い宣伝になったと思います。

重要度が高い筈の、準主人公的な人物の稔麿の江戸行きの件は、残念ながらイマイチで、余りパッとしなかったのが残念。正直、悪い意味でイライラさせました。
土下座で、感動を引き寄せようとは、気持ち悪かったです。

今回は、利助（博文）と河豚で、お腹一杯の内容でした。
まさか、脇役の話が面白かったとは。

視聴率ですが、ここ数話は１３％前後と安定してますが、平均は１３．７６％と、『八重の桜』の１０話区切り分と、ほぼ同じ。
まあ、今後の内容しだいで、この分だと最終的には１１～１２％前後になると思いますが、それでも幕末ワーストになるのは、ほぼ確定だと思います。

それでは～

[管理人]

視聴者の求める大河ドラマ像と異なる感は否めませんね。

だからといって、新たな大河ドラマ像を提示する、という意欲的な作品にも見えず、そこも視聴率低迷の一因なのかもしれません。