大河ドラマ『軍師官兵衛』第50回(最終回)「乱世ここに終わる」
今日はもう1本掲載します。いよいよ最終回を迎えました。関ヶ原の戦いは長政の政治工作と戦場での武功もあり、当初苦戦していた東軍が圧勝します。九州で勢力を拡大しつつあった官兵衛(如水)にとって、たった一日で西軍主力が壊滅したのは想定外でした。官兵衛は、東軍に加担するふりをして九州の西軍方の諸城を落としていき、東西両軍が対峙している隙に天下を狙う大勢力を築こうと考えていました。関ヶ原の戦いでの東軍の圧勝を知った官兵衛は、天下取りの機会が去ったことを悟ります。
関ヶ原の戦いに勝ち大坂城に入った家康は、何とか三成を庇おうとする淀殿(茶々)を威圧し、処刑することを伝えます。淀殿は屈辱に耐えつつ、秀頼の成人後の再起を誓います。三成は小西行長・安国寺恵瓊とともに処刑されます。長政は関ヶ原の戦いでの功績により、大幅な加増となります。中津城に戻った長政は官兵衛と再会し、家康から功績を感謝され右手を握られた、と伝えます。すると官兵衛は、その時左手は何をしていたのだ、と長政に問いかけます。長政が空いていた左手で家康を刺せば、官兵衛の天下になっていた、というわけです。
官兵衛は上洛して家康と面会します。家康は官兵衛に、政治の補佐を依頼しますが、官兵衛は、天下を狙っていたと率直に打ち明け、本音で語り合おう、と答えます。家康も、官兵衛の九州での勢力拡大を怖れていた、と率直に語ります。官兵衛は家康に、どのような世を築こうとしているのか、と問いかけます。天下は一人のものではなく、天下の天下だ、と家康は答えます。家康は、自分が死んでも争いの起きない太平の世を築こうと考えていました。家康が私利私欲のために天下人になろうとしているわけではない、と得心した官兵衛は、家康の器の大きさに感銘し、自分の負けを率直に認めます。家康は長政の器量を誉め、後継者に恵まれた官兵衛を羨ましがります。
黒田家は筑前に移り、福岡城を築いて拠点とします。長政には待望の嫡男が生まれ、長政も光も喜びます。この息子(忠之)が後に藩主となって大騒動を惹き起こすのですが、作中では触れられませんでした。最終回には相応しくない暗くて救いようのない逸話ということで、省略されたのでしょうか。家康の征夷大将軍就任後、官兵衛は高台院(北政所)と会い、二人は淀殿がまだ豊臣氏の天下を狙っていることを懸念します。
官兵衛は長政に、関ヶ原の戦いのさいに天下を狙ったが、長政のためにその夢は破れた、と語り始めます。しかし官兵衛は、よく黒田家を守った、自分を超えた、と長政を誉めます。微妙なところのあったこの親子の関係も、最終回にて上手くまとまった感があります。官兵衛は善助にも感謝の意を伝えます。官兵衛は自分の死期が近いことを悟っており、これは長政と善助への遺言でした。官兵衛は光に感謝の意を伝え、慶長9年3月20日に亡くなります。
官兵衛の死後、大坂夏の陣がわずかながら描かれます。又兵衛は官兵衛の死後に主君の長政と対立して黒田家を出奔し、豊臣方として徳川方と戦い、戦死します。淀殿は自らの浅はかさを悔い、息子の秀頼とともに自害します。大坂城が陥落し、乱世はついに終焉を迎えます。夫の死後10年以上経過し、光は穏やかな日々を過ごしていました。そんな光の前に官兵衛の幻影が現れ、よく生き抜かれましたなあ、と光が語りかけるところで本作は完結します。
今回で本作も完結し、1年間視聴と感想記事の執筆を続けてきただけに、寂しさはあります。ただ、最終回も有名な逸話と史実を淡々とつないでいったところがあり、決定的な盛り上がりに欠けた感は否めません。大坂夏の陣での又兵衛の戦死も描かれながら、長政と又兵衛の対立は深く描かれず、又兵衛が出奔した経緯も省略されていました。これならば、大坂の陣は省略するか語りだけですませてもよかったように思うのですが、「乱世の終焉」を強調しておきたかった、ということでしょうか。
最後の場面も淡々としており、確かに長期の物語でどう幕を閉じるかは難しい問題ですが、率直に言って拍子抜けしました。まあ、抜群の出来とか強く印象に残ったとかいうわけではありませんが、官兵衛・長政親子の関係が最後に上手くまとまったことや、官兵衛と家康との本音での語り合いにて、家康が乱世を終焉させる器量の持ち主であることが印象づけられたことなどから、決定的に失敗した最終回ではなかった、と思います。BS放送では来年の大河ドラマの予告はありませんでしたが、この後の地上波の放送ではどうなるでしょうか。
関ヶ原の戦いに勝ち大坂城に入った家康は、何とか三成を庇おうとする淀殿(茶々)を威圧し、処刑することを伝えます。淀殿は屈辱に耐えつつ、秀頼の成人後の再起を誓います。三成は小西行長・安国寺恵瓊とともに処刑されます。長政は関ヶ原の戦いでの功績により、大幅な加増となります。中津城に戻った長政は官兵衛と再会し、家康から功績を感謝され右手を握られた、と伝えます。すると官兵衛は、その時左手は何をしていたのだ、と長政に問いかけます。長政が空いていた左手で家康を刺せば、官兵衛の天下になっていた、というわけです。
官兵衛は上洛して家康と面会します。家康は官兵衛に、政治の補佐を依頼しますが、官兵衛は、天下を狙っていたと率直に打ち明け、本音で語り合おう、と答えます。家康も、官兵衛の九州での勢力拡大を怖れていた、と率直に語ります。官兵衛は家康に、どのような世を築こうとしているのか、と問いかけます。天下は一人のものではなく、天下の天下だ、と家康は答えます。家康は、自分が死んでも争いの起きない太平の世を築こうと考えていました。家康が私利私欲のために天下人になろうとしているわけではない、と得心した官兵衛は、家康の器の大きさに感銘し、自分の負けを率直に認めます。家康は長政の器量を誉め、後継者に恵まれた官兵衛を羨ましがります。
黒田家は筑前に移り、福岡城を築いて拠点とします。長政には待望の嫡男が生まれ、長政も光も喜びます。この息子(忠之)が後に藩主となって大騒動を惹き起こすのですが、作中では触れられませんでした。最終回には相応しくない暗くて救いようのない逸話ということで、省略されたのでしょうか。家康の征夷大将軍就任後、官兵衛は高台院(北政所)と会い、二人は淀殿がまだ豊臣氏の天下を狙っていることを懸念します。
官兵衛は長政に、関ヶ原の戦いのさいに天下を狙ったが、長政のためにその夢は破れた、と語り始めます。しかし官兵衛は、よく黒田家を守った、自分を超えた、と長政を誉めます。微妙なところのあったこの親子の関係も、最終回にて上手くまとまった感があります。官兵衛は善助にも感謝の意を伝えます。官兵衛は自分の死期が近いことを悟っており、これは長政と善助への遺言でした。官兵衛は光に感謝の意を伝え、慶長9年3月20日に亡くなります。
官兵衛の死後、大坂夏の陣がわずかながら描かれます。又兵衛は官兵衛の死後に主君の長政と対立して黒田家を出奔し、豊臣方として徳川方と戦い、戦死します。淀殿は自らの浅はかさを悔い、息子の秀頼とともに自害します。大坂城が陥落し、乱世はついに終焉を迎えます。夫の死後10年以上経過し、光は穏やかな日々を過ごしていました。そんな光の前に官兵衛の幻影が現れ、よく生き抜かれましたなあ、と光が語りかけるところで本作は完結します。
今回で本作も完結し、1年間視聴と感想記事の執筆を続けてきただけに、寂しさはあります。ただ、最終回も有名な逸話と史実を淡々とつないでいったところがあり、決定的な盛り上がりに欠けた感は否めません。大坂夏の陣での又兵衛の戦死も描かれながら、長政と又兵衛の対立は深く描かれず、又兵衛が出奔した経緯も省略されていました。これならば、大坂の陣は省略するか語りだけですませてもよかったように思うのですが、「乱世の終焉」を強調しておきたかった、ということでしょうか。
最後の場面も淡々としており、確かに長期の物語でどう幕を閉じるかは難しい問題ですが、率直に言って拍子抜けしました。まあ、抜群の出来とか強く印象に残ったとかいうわけではありませんが、官兵衛・長政親子の関係が最後に上手くまとまったことや、官兵衛と家康との本音での語り合いにて、家康が乱世を終焉させる器量の持ち主であることが印象づけられたことなどから、決定的に失敗した最終回ではなかった、と思います。BS放送では来年の大河ドラマの予告はありませんでしたが、この後の地上波の放送ではどうなるでしょうか。
この記事へのコメント
地上波では「花燃ゆ」の予告はありました。文(でよかったかな?)が松陰に松下村塾の開校を勧めるシーンが流れておりまして、それが史実なら仕方がないけど、例によって単純な主人公補正によるものだったとしたら、ちょっと嫌だなと思いました。
「官兵衛」については、ブログ主様が述べられているように、今日の最終回のみならず、有名エピソードを数珠つなぎしたような、とりあえず大失敗を回避するということを意図したような作品だなと思って一年間視聴しておりました。
それゆえ実際の視聴率の低迷ぶりよりは面白いとは思いましたが、今一つ好きにはなれませんでした。
またブログ主も何度か言及されていましたが、光などの家族エピソードに時間を割きすぎ(特に九州に行く時に侍女の誰が播磨に残るかなど) で、それだったら数珠つなぎエピソードを関連づけるような話を挿入して、正しく「大河ドラマ」と言いたくなるような全体としてのまとまりを志向した方がよかったのに、と感じています。
ただし決して駄作ではなかったとは思います。
『軍師官兵衛』には不満も少なくないのですが、私も駄作ではないと考えています。一年間割と楽しんで視聴を続けられました。
今年の大河ドラマは高視聴率だったようですが、誰もが良く知る戦国時代は、私のように数回見なくても理解できたから視聴しやすかったかもしれませんね。
来年は幕末がテーマですが、吉田松陰の妹って、あまり知られていませんよね、会津のように、マニアックだと、視聴率が下がりそうでね。
つまらなければ、見なくてもイイか。
そろそろ大河を卒業したい。
来年は、主人公の知名度の低さが足枷になりそうですが、幕末長州の群像劇になりそうなので、それなりに話は盛り上がるのではないか、と期待しています。
正直、終わってホッとしましたが、同時に物足りなさが感じられました。
近年の大河の最終回では、最も印象が少なかったのが否めません。
全体的に唐突に感じられましたし。
合戦シーンも、過去作の使いまわしが多かった見たいですし、安っぽく感じられました。
結局、官兵衛のお椀兜は、前回を含め、たった2回しか被らなかたのが、ちょっと残念。
OP映像で登場したのに、もっと使って欲しかったです。
まあ、殆ど期待してなかったので、なんとなく予想どおりだったと思いますが。
ちょっと『利家とまつ』の最終回を思い出します(余り憶えてませんが)。
ホームドラマ場面が、そう思いさせます。
ラスト10分が中途半端な感じがしました。
最後の、如水が息を引き取る所は良かったです。
岡田さんの演技が上手かったと思います。
ただ、総合的に随分ショボイ最終回には変わりありませんでした(汗)。茫然としました。
まあ、最悪じゃなかったのが救いなのですが。
個人的な総括は『全体的な感想記事』に続きます。
合戦場面については、主人公が参加していない関ヶ原の戦いは『葵 徳川三代』からの流用が多めでよいと思うのですが、九州での合戦場面はもっと頑張ってもよかったのではないか、と思います。