『太陽にほえろ!』412話~414話
412話「似顔絵」8
独り暮らしの老人を狙った連続強盗殺人犯の目撃者はイラストレーターでした。スコッチとスニーカーがイラストレーターを訪ねますが、イラストレーターは事件との関わりを否定します。イラストレーターは大手の雑誌の表紙の担当候補者の一人となっており、大事な時期なので事件に関わって時間をとられたくないのだろう、と考えられました。しかし、事件発生時に通りかかったタクシー運転手の証言により、イラストレーターも観念して事件に協力し、似顔絵を描きます。しかし、その顔は犯人とまったく似ていませんでした。しかも、捜査中に浮かび上がってきた容疑者の容貌は、似顔絵と似ていませんでした。
スコッチはこの点をイラストレーターに問い質しますが、イラストレーターはあくまでも犯人を見て似顔絵を描いた、と言い張ります。スコッチはイラストレーターを尾行していて、一時的に目が見えなくなる緑内障の発作ではないか、と確信します。スコッチはイラストレーターを問い詰めますが、イラストレーターはあくまでも病気を否定します。スコッチは雑誌の編集長にイラストレーターの病気を伝え、イラストレーターは目の病気と犯人を見ていなかったことを認めます。真犯人は逮捕され、イラストレーターは手術を受けて病気が完治し、自分の身勝手さを恥じ入ります。イラストレーターの行動の謎解きがなかなか面白く、楽しめました。
413話「エーデルワイス」10
夫婦の乗った車が海に落ち、夫は助かったものの、妻は死亡します。海に落ちる直前、夫婦は軽く言い争っていました。夫は刑事たちの前で妻の遺体を見て号泣しますが、保険金などの点で疑惑が生じ、夫が妻を殺そうとしたのか、それとも夫の一時的な意識障害による事故なのか、一係でも意見が分かれます。山さんとスコッチは殺人説、殿下とゴリさんは事故説に傾きます。
そんな中、夫が妻を殺したのだ、とタレこみの電話が入ります。一係が夫婦の身辺を調べると、一時的な意識障害による事故の可能性も、殺人事件の可能性も考えられました。一係では結論が一致せず、山さん・スコッチ・スニーカーは殺人説、殿下・ゴリさん・ロッキー・長さんは事故説で捜査を続けます。今回、殿下の婚約者の話がたびたび出てきて、次回の殿下殉職の前振りともなっています。
一係が捜査を続けていくなかで、夫は探偵に金を渡します。山さん・スコッチ・ロッキーは夫と探偵の身柄を確保します。探偵は夫を強請っていました。探偵は、妻とあるカメラマンの男性が親しいことをつかみ、妻を強請っていました。妻は途中から強請りに応じなくなったため、探偵は夫にそのことを伝え、それが殺害の動機になったのではないか、とも考えられました。カメラマンは自身の妻との仲も上手くいっておらず、同じく夫と上手く行かなくなっていた死亡した妻と親しくなっていました。カメラマンはそのことから、殺人事件ではないかと考えて一係にタレこみの電話をかけたのでした。
結局、事故なのか殺人なのか、決め手がないので、捜査は続きます。妻を亡くした山さんの回想が挿入され、夫の妻への愛情を確信しているものの、愛する故に殺すこともあるので疑う、と言う山さんにたいして、自分はつい信じたい気持ちが先立つから甘い、と殿下は自嘲します。そんな殿下に、徹底的に疑うのも難しいが、徹底的に信じることも容易ではない、と山さんは励まします。
山さんは夫に、妻が身に着けていたエーデルワイスのブローチがなくなったことを問い質します。レストランで夫婦が激しく言い争い、妻が泣いていたことを山さんが夫に問い質すと、夫は黙り込みます。山さんがレストランで再度調べると、言い争いをしていたのは若い婚約者同士で、妻がその若い婚約者にエーデルワイスのブローチを渡したことが分かります。夫が妻を傷つけることに我慢できず、探偵に金を渡したことも分かり、妻の死は事故だとして夫は釈放されます。
スコッチ復帰から殿下殉職までは、一般的な評価はあまり高くないかもしれませんが、わりと安定して面白いと思います。その中でも今回は、各刑事のキャラを活かしており、謎解きの面でもたいへん面白いので、傑作だと思います。『太陽にほえろ!』全718話(PARTIIまで含めると730話)のなかでも、今回はかなりの出来です。自分の評価を一覧化して再検証してみないとはっきりとは言えませんが、上位5話に入るくらいの出来なのではないか、と思います。
414話「島刑事よ、永遠に」8
番組開始時からのレギュラーだった殿下が今回で退場となります。殿下は8年にわたって出演していただけに、たいへん寂しいものです。それだけではなく、次回以降、替わりに登場したドックのキャラ設定もあり、ますます軽い作風になっていった感もあるだけに、殿下の殉職は『太陽にほえろ!』における一つの時代の終焉と言えるような気もします。話は、危機的な事件を乗り越えた殿下が、婚約者を迎えに行く途中にあっさりと交通事故死するというもので、マカロニ殉職と話の構造が似ているように思います。マカロニ以降、ジーパン・テキサス・ボンと殉職場面がくどかったので、それを踏まえてのことなのかもしれません。今回はオーディオコメンタリー付です(殿下役の小野寺昭氏とロッキー役の木之元亮氏)。
独り暮らしの老人を狙った連続強盗殺人犯の目撃者はイラストレーターでした。スコッチとスニーカーがイラストレーターを訪ねますが、イラストレーターは事件との関わりを否定します。イラストレーターは大手の雑誌の表紙の担当候補者の一人となっており、大事な時期なので事件に関わって時間をとられたくないのだろう、と考えられました。しかし、事件発生時に通りかかったタクシー運転手の証言により、イラストレーターも観念して事件に協力し、似顔絵を描きます。しかし、その顔は犯人とまったく似ていませんでした。しかも、捜査中に浮かび上がってきた容疑者の容貌は、似顔絵と似ていませんでした。
スコッチはこの点をイラストレーターに問い質しますが、イラストレーターはあくまでも犯人を見て似顔絵を描いた、と言い張ります。スコッチはイラストレーターを尾行していて、一時的に目が見えなくなる緑内障の発作ではないか、と確信します。スコッチはイラストレーターを問い詰めますが、イラストレーターはあくまでも病気を否定します。スコッチは雑誌の編集長にイラストレーターの病気を伝え、イラストレーターは目の病気と犯人を見ていなかったことを認めます。真犯人は逮捕され、イラストレーターは手術を受けて病気が完治し、自分の身勝手さを恥じ入ります。イラストレーターの行動の謎解きがなかなか面白く、楽しめました。
413話「エーデルワイス」10
夫婦の乗った車が海に落ち、夫は助かったものの、妻は死亡します。海に落ちる直前、夫婦は軽く言い争っていました。夫は刑事たちの前で妻の遺体を見て号泣しますが、保険金などの点で疑惑が生じ、夫が妻を殺そうとしたのか、それとも夫の一時的な意識障害による事故なのか、一係でも意見が分かれます。山さんとスコッチは殺人説、殿下とゴリさんは事故説に傾きます。
そんな中、夫が妻を殺したのだ、とタレこみの電話が入ります。一係が夫婦の身辺を調べると、一時的な意識障害による事故の可能性も、殺人事件の可能性も考えられました。一係では結論が一致せず、山さん・スコッチ・スニーカーは殺人説、殿下・ゴリさん・ロッキー・長さんは事故説で捜査を続けます。今回、殿下の婚約者の話がたびたび出てきて、次回の殿下殉職の前振りともなっています。
一係が捜査を続けていくなかで、夫は探偵に金を渡します。山さん・スコッチ・ロッキーは夫と探偵の身柄を確保します。探偵は夫を強請っていました。探偵は、妻とあるカメラマンの男性が親しいことをつかみ、妻を強請っていました。妻は途中から強請りに応じなくなったため、探偵は夫にそのことを伝え、それが殺害の動機になったのではないか、とも考えられました。カメラマンは自身の妻との仲も上手くいっておらず、同じく夫と上手く行かなくなっていた死亡した妻と親しくなっていました。カメラマンはそのことから、殺人事件ではないかと考えて一係にタレこみの電話をかけたのでした。
結局、事故なのか殺人なのか、決め手がないので、捜査は続きます。妻を亡くした山さんの回想が挿入され、夫の妻への愛情を確信しているものの、愛する故に殺すこともあるので疑う、と言う山さんにたいして、自分はつい信じたい気持ちが先立つから甘い、と殿下は自嘲します。そんな殿下に、徹底的に疑うのも難しいが、徹底的に信じることも容易ではない、と山さんは励まします。
山さんは夫に、妻が身に着けていたエーデルワイスのブローチがなくなったことを問い質します。レストランで夫婦が激しく言い争い、妻が泣いていたことを山さんが夫に問い質すと、夫は黙り込みます。山さんがレストランで再度調べると、言い争いをしていたのは若い婚約者同士で、妻がその若い婚約者にエーデルワイスのブローチを渡したことが分かります。夫が妻を傷つけることに我慢できず、探偵に金を渡したことも分かり、妻の死は事故だとして夫は釈放されます。
スコッチ復帰から殿下殉職までは、一般的な評価はあまり高くないかもしれませんが、わりと安定して面白いと思います。その中でも今回は、各刑事のキャラを活かしており、謎解きの面でもたいへん面白いので、傑作だと思います。『太陽にほえろ!』全718話(PARTIIまで含めると730話)のなかでも、今回はかなりの出来です。自分の評価を一覧化して再検証してみないとはっきりとは言えませんが、上位5話に入るくらいの出来なのではないか、と思います。
414話「島刑事よ、永遠に」8
番組開始時からのレギュラーだった殿下が今回で退場となります。殿下は8年にわたって出演していただけに、たいへん寂しいものです。それだけではなく、次回以降、替わりに登場したドックのキャラ設定もあり、ますます軽い作風になっていった感もあるだけに、殿下の殉職は『太陽にほえろ!』における一つの時代の終焉と言えるような気もします。話は、危機的な事件を乗り越えた殿下が、婚約者を迎えに行く途中にあっさりと交通事故死するというもので、マカロニ殉職と話の構造が似ているように思います。マカロニ以降、ジーパン・テキサス・ボンと殉職場面がくどかったので、それを踏まえてのことなのかもしれません。今回はオーディオコメンタリー付です(殿下役の小野寺昭氏とロッキー役の木之元亮氏)。
この記事へのコメント
今後は、1980年放送分までは随時感想を掲載していき、1981年以降については、ファミリー劇場で放送が始まったら、それにあわせて感想を執筆していこう、と考えています。
殿下殉職回は、なかなか緊迫感のある予告でした。
次回以降の「太陽にほえろ!」は引っ掛かりがあるとのことなんですね。多分ご存知でしょうが、425話「愛の詩-島刑事に捧ぐ」の試聴をオススメします。純粋に殿下の死を惜しむというのはいかがでしょうか?
1980年放送分までは感想記事を執筆済なので、425話もそのうちこのブログに掲載する予定です。今年になって殿下殉職以降の再視聴を始めたのですが、やはりそれ以前と比較すると、今の私には合わないようです。
太陽にほえろ!の番組全体の内容が変わったのは、殿下 小野寺昭の降板が一番大きいと思う。
よく、ゴリさん 竜雷太が殉職してから とも言われるが、ボギーが登場してからの約4年は、もう番組後期の頃なので、それには当たらないと思う。
もし、そういう表現、指摘をするならば、ボスから殿下までの最初からのレギュラー刑事5人に、マカロニ、ジーパン、テキサス、ボン、スコッチ、ロッキー、スニーカーの若手刑事7人の頃までが前期 ドック、ラガー登場から、スコッチ病死、ジプシー登場、ロッキー殉職 長さん警察学校転勤の頃までが中期だと思う。
それと、殿下の死はやはり事故死と判断するのが正しいと思う。
例をあげるなら、ゴリさんの死はまだ職務執行中のことなので、殉職に当たるが、殿下の場合は、地元(沼津)警察にすでに犯人を引き渡したあとで、ボスからも、『帰って着替えてから恋人を迎えに…』などと言われて、プライベートな時間になったので、殉職には当たらないのでは?