大河ドラマ『軍師官兵衛』第43回「如水誕生」

 今日はもう1本掲載します。秀吉から蟄居を命じられた官兵衛は出家して如水と号し、秀吉に許しを乞います。秀吉には官兵衛の助命を願う書状が多数届けられており、その中には、息子(後の秀頼)を出産したばかりの茶々(淀)からのものもありました。秀吉は官兵衛を赦し、官兵衛は秀吉に隠居を願い出ます。石田三成は目障りだった官兵衛の隠居に嬉しさを隠せないようです。三成を小悪党として描く方針は徹底されているようです。

 秀頼が生まれたことにより、秀吉から関白の座を譲られた秀次の立場は微妙となります。茶々は三成に、秀次を追い落とすよう唆します。「おね」はそんな秀次を案じ、隠居した官兵衛に秀次の補佐を依頼します。秀次は官兵衛の助言を受けて秀吉の疑心を解こうとします。官兵衛の助言もあって秀吉は秀次を一旦信頼するものの、茶々に煽られると疑心を募らせ、秀次に謀反の容疑をかけます。ここまで秀次を描くのなら、小牧長久手の頃から登場させればよかったのに、と思うのですが。

 秀吉の死が近づいてきたということで、秀吉死後の話の伏線も貼られています。家康は朝鮮半島から帰国した長政・福島正則を招きもてなし、懐柔しようとします。長政・正則は三成への不満を家康に訴え、それを聞く家康からはいかにもしたたかな印象を受けます。長政は前から家康に傾倒していましたが、今回は心酔したように見えました。秀吉死後の長政の行動から考えると、今回の時点でそのような描写を入れておくことは歴史ドラマとして妥当だと言えるかもしれません。

この記事へのコメント

デニソワ人って学名付かないんですかね
2014年10月27日 00:21
策謀を重ね敵を増やす三成、老獪に味方を増やす家康
一つ一つが関ヶ原への伏線ですね
主役の官兵衛自身は関ヶ原に関与せず九州を併呑するわけですが、二人との距離も分かりやすく描けてると思います
再放送している独学竜政宗と話が平行してて、それもなかなか面白いです
ひろし
2014年10月27日 14:35
官兵衛を演じた岡田さんは、8月に髪を剃ってしまったそうです。
近年の大河で、主役が実際に髪を剃る例は、『風林火山』(2007年)の内野聖陽(山本勘助)と一昨年の『平清盛』(2012年)の松山ケンイチ(平清盛)の2人。前者は、軍師繋がりなです。
岡田さんが髪を剃った意気込みは伝わりましたが、残念なのは先程述べた2人と違い、主役が余り印象に残らないのが否めません。これまで、官兵衛は余り軍師らしい活躍が魅せられなかったのが残念で、出家しても、それ程共感しませんでした。後者の2人は主役らしく、全うに活躍し、とても印象に残りました。
余り関係ないですが、主役が坊主になる大河の視聴率は、余り著しくないですね(特に『平清盛』)。

今回のテーマは『終り』(官兵衛の出家と隠居)と『始まり』(拾(秀頼)の誕生)の2つの意味があったと思います。官兵衛の人生の分岐点(?)でありました。

三成は相変わらず黒いです。いやな顔つきしますねぇ。こんな三成は珍しいです(良い意味で)。
主役以上に魅力があります(悪い意味で)。

それでは~
2014年10月27日 21:28
主演の岡田氏がじっさいに剃髪していたとは知りませんでした。その後の役者活動に短期的には影響が出そうなのに、思い切った決断ですね。


そう言えば、BSで再放送中の政宗がちょうど官兵衛と同じ頃を扱っていますね。長政と家康の描写は、この先の関ヶ原を意識した構成になっているな、と思います。私は割と楽しんで視聴しています。

デニソワ人は解剖学的情報がきょくたんに乏しいので、種を同定するのはなかなか難しそうですね。ゲノム解析はなされているので、遺伝子と表現型との関係がさらに明らかになっていけば、解剖学的特徴もじょじょに見えてくるのでしょうが。

既知の人骨の中にデニソワ人と同種・同系統のものがありそうなので、DNA解析に成功して同種・同系統と判明すれば、一気にデニソワ人の解剖学的情報も増えるでしょう。研究者たちも、中国の有望そうな人骨のDNA解析を試みていますが、現時点ではまだ成功していないようですね。

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