大河ドラマ『軍師官兵衛』第42回「太閤の野望」
まだ日付は変わっていないのですが、10月20日分の記事として掲載しておきます。今回から秀次が登場となります。秀次はもっと早くから登場させた方がよかったように思うのですが。いよいよ文禄の役が始まります。黒田家と三成との対立が激化し、三成・小西行長と加藤清正・福島正則との間の対立も描かれました。秀吉死後、関ヶ原の戦いへといたる政治情勢の伏線も張られています。息子の鶴丸が幼くして死んだことですっかり落ち込んでいた茶々(淀)は、出陣のために名護屋に赴く秀吉に同行したいと願い出ます。再び秀吉の子を産もうという決心固めた茶々は、その執念が実ったのか見事に妊娠し、秀吉はすっかり浮かれます。
その茶々と三成とが政治的に結びついていることも改めて描かれました。茶々・三成・行長などの政治的結びつきと、北政所・清正・正則・長政などの政治的結びつきとの間の対立という、通俗的歴史観に基づいた話になっています。こうした認識に私は随分と前から疑問を抱いているのですが(文禄・慶長の役で、行長と清正との対立や、三成と清正・長政などとの対立が顕在化・激化したとは言えるのでしょうが)、この問題を熱心に調べていたのは十数年前のことで、近年では勉強がほとんど進んでいないので、この作品のような描き方に問題があると言えるのか、断定はできません。
文禄の役では、当初快進撃を続けていた日本軍が明の本格的な参戦とともに苦戦を強いられます。朝鮮半島に渡ってその実情を見聞した官兵衛は秀吉に和睦を進言し、茶々の懐妊で上機嫌の秀吉は和睦交渉を命じます。秀吉に和睦交渉を命じられた行長は、秀吉がとても明の呑めない条件を出したことに進退窮まり、官兵衛に相談します。官兵衛は、秀吉からの和睦条件を明に出さずに和睦交渉するよう、行長に助言します。官兵衛は、兵糧事情も厳しいことから、日本軍が占領している朝鮮の首都漢城から釜山まで撤退するよう進言しますが、三成と増田長盛は秀吉の命だと言って漢城からの撤退に反対します。官兵衛は総大将の宇喜多秀家の決断を仰ぎ、秀家は釜山までの撤退を決断します。
官兵衛は三成の要請で三成・長盛とともに一足早く帰国し、秀吉に謁見します。秀吉は、自身の命に反して漢城を捨てて釜山まで撤退したことと、三成・長盛が訪ねた時に、官兵衛が碁に興じていたことを問い質します。しかし秀吉はそれらよりも、官兵衛が秀吉の命もなく勝手に帰国したことに激怒していました。三成は保身のために、官兵衛が勝手に帰国した、と偽って秀吉に報告していたわけです。かねてより官兵衛の振る舞いに怒り・恐れの感情を募らせていた秀吉はついに激怒し、官兵衛に蟄居を命じます。
今回は、創作も交えつつ秀吉が官兵衛に激怒したという逸話をもとに物語を構成しており、本能寺の変以降の官兵衛と秀吉との緊張関係がついに頂点に達したところが描かれました。話の進め方はさほど悪くなかったのではないか、と思います。この時期、官兵衛は体調が悪かったようで、秀吉もそれを気遣って官兵衛を帰国させ、養生させているのですが、そうした様子は描かれませんでした。黒田家と三成との対立の激化、官兵衛と秀吉との緊張が頂点に達することを印象づけるためには、官兵衛の病状のことは描かなくてもよいかな、とも思います。この時代に詳しい視聴者にとっては不満の残る内容なのでしょうが、もう十数年以上この時代の勉強が滞っている私は、娯楽ドラマでこれくらいの内容ならばよいのではないかな、と考えています。
その茶々と三成とが政治的に結びついていることも改めて描かれました。茶々・三成・行長などの政治的結びつきと、北政所・清正・正則・長政などの政治的結びつきとの間の対立という、通俗的歴史観に基づいた話になっています。こうした認識に私は随分と前から疑問を抱いているのですが(文禄・慶長の役で、行長と清正との対立や、三成と清正・長政などとの対立が顕在化・激化したとは言えるのでしょうが)、この問題を熱心に調べていたのは十数年前のことで、近年では勉強がほとんど進んでいないので、この作品のような描き方に問題があると言えるのか、断定はできません。
文禄の役では、当初快進撃を続けていた日本軍が明の本格的な参戦とともに苦戦を強いられます。朝鮮半島に渡ってその実情を見聞した官兵衛は秀吉に和睦を進言し、茶々の懐妊で上機嫌の秀吉は和睦交渉を命じます。秀吉に和睦交渉を命じられた行長は、秀吉がとても明の呑めない条件を出したことに進退窮まり、官兵衛に相談します。官兵衛は、秀吉からの和睦条件を明に出さずに和睦交渉するよう、行長に助言します。官兵衛は、兵糧事情も厳しいことから、日本軍が占領している朝鮮の首都漢城から釜山まで撤退するよう進言しますが、三成と増田長盛は秀吉の命だと言って漢城からの撤退に反対します。官兵衛は総大将の宇喜多秀家の決断を仰ぎ、秀家は釜山までの撤退を決断します。
官兵衛は三成の要請で三成・長盛とともに一足早く帰国し、秀吉に謁見します。秀吉は、自身の命に反して漢城を捨てて釜山まで撤退したことと、三成・長盛が訪ねた時に、官兵衛が碁に興じていたことを問い質します。しかし秀吉はそれらよりも、官兵衛が秀吉の命もなく勝手に帰国したことに激怒していました。三成は保身のために、官兵衛が勝手に帰国した、と偽って秀吉に報告していたわけです。かねてより官兵衛の振る舞いに怒り・恐れの感情を募らせていた秀吉はついに激怒し、官兵衛に蟄居を命じます。
今回は、創作も交えつつ秀吉が官兵衛に激怒したという逸話をもとに物語を構成しており、本能寺の変以降の官兵衛と秀吉との緊張関係がついに頂点に達したところが描かれました。話の進め方はさほど悪くなかったのではないか、と思います。この時期、官兵衛は体調が悪かったようで、秀吉もそれを気遣って官兵衛を帰国させ、養生させているのですが、そうした様子は描かれませんでした。黒田家と三成との対立の激化、官兵衛と秀吉との緊張が頂点に達することを印象づけるためには、官兵衛の病状のことは描かなくてもよいかな、とも思います。この時代に詳しい視聴者にとっては不満の残る内容なのでしょうが、もう十数年以上この時代の勉強が滞っている私は、娯楽ドラマでこれくらいの内容ならばよいのではないかな、と考えています。
この記事へのコメント
まあ、元々地味な主役なので、これはこれでいいのですが。
官兵衛と秀吉との緊張関係が頂点に達したところが描かれたのは良かったのですが、肝心な主役にここまでの活躍が余り地味で薄く、説得力が感じられなかったのが残念。
秀吉を演じた竹中さんは、かなり熱演されてたのは良かったです。
この時期に官兵衛の体調が悪かったのは知りませんでした。
まあ、大河は厳密にフィクションの要素も取り入れ、史実そのものではないのですが、個人的に病状を描けば、官兵衛の帰国の辻褄が合わせたと思います。
三成はどんどん黒くなり、遂に官兵衛を窮地に陥る!
今年の三成は凄いですね。こんな三成は観たことないです。
演じた田中圭さんも、気合が入っています。
三成が主役の大河が観たくなりました。
それにしても、官兵衛はマンマと罠に掛かった感じがして、正直マヌケに見えました。
まあ、これも史実どおりだと思いますが、もうちょっとどうにかならなかったのか。
何度騙さればいいのやら?
それでは~
公式サイトのインタビューもなかなか興味深いものでした。