ファミリー劇場HDリマスター版『太陽にほえろ!』73~76話

 まだこのブログで取り上げておらず、最近になって視聴した分について取り上げます。73話「真夜中に愛の歌を」・74話「ひとりぼっちの演奏会」・75話「仕掛けられた銃声」・76話「おふくろ」を視聴しました。73話「真夜中に愛の歌を」は、後に殿下の妹役を演じる中田喜子氏が犯人として一度登場します。その共犯を演じる堀内正美氏は、後に中田氏が殿下の妹として登場したさいに(194話)、彼女のストーカー(当時、日本でこの言葉は使われていなかったでしょうが)でバスジャックを行なう犯人を演じました。中田氏と堀内氏という若い二人の犯人への同情を誘うような構成になっており、なかなか楽しめました。本放送時に20歳になったばかりの中田氏は、とても可愛いと思います。

 74話「ひとりぼっちの演奏会」は、シンコの刑事としての葛藤と成長を描きます。シンコ主演作は少なく、そもそも在籍時には欠場回も多いので、シンコが登場しているというだけで貴重な感じもします。ジーパンとシンコが衝突したものの、両者の距離がさらに近くなったことも注目されます。75話「仕掛けられた銃声」は、ゴリさんが親しかったかつての先輩刑事の犯罪を暴いていきます。ゴリさんが、かつて信頼を寄せていた同僚・友人・先輩などから裏切られ、悲劇的な結末を迎えるという展開は、『太陽にほえろ!』の定番の一つと言えます。全体的に演技の質が高くなっていることもあり、かなり楽しめました。

 76話「おふくろ」は、ジーパンと母のタキとの絆と、医療ミスで母が死んでしまったことから復讐を企てる兄妹の絆とが対比的に描かれるとともに、その医療ミスとジーパンの母とが上手く結びつけられていて、面白くなっています。ジーパンがシンコには気を許しているように見える場面も、後々の展開を考えると興味深いものです。タキとシンコとの会話からも、この頃にはすでに、ジーパンとシンコの恋愛を描くという構想がはっきりと確立していたことが分かります。この76話は、基本的には一話完結の『太陽にほえろ!』には珍しく、82話「最後の標的」とつながっており、82話冒頭にて、76話の犯人の妹がジーパンに逮捕される場面が描かれます。

各回の評価は以下の通りです。
73話「真夜中に愛の歌を」9
74話「ひとりぼっちの演奏会」7
75話「仕掛けられた銃声」9
76話「おふくろ」10

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