大河ドラマ『軍師官兵衛』第37回「城井谷の悲劇」

 今日はもう1本掲載します。今回は、黒田家・宇都宮家・ますます専制権力者となっていく秀吉という三者の緊張感に満ちた関係を軸に話が展開していき、相変わらず未熟なところを見せつつも、少しは成長していく長政と、官兵衛との親子の関係も描かれます。秀吉の変貌は、「ねね」と千利休との会話を通じても語られます。秀吉と官兵衛との緊張感に満ちた関係は、前回と今回をかけて佐々成政を通じても描かれました。ここで佐々成政がそれなりに重要な役割を担うのならば、もっと前から登場させてもよかったように思います。相変わらずホームドラマパートが不必要と思われるまでに長いこととあわせて、やや残念なところでした。

 今回の最大の見所は、秀吉の圧力により、官兵衛が一度は降伏を認めた宇都宮家を粛清せざるを得なくなったことです。官兵衛が主人公ということで、宇都宮家を粛清・謀殺したことをどう描くのかということは、放送開始前から少なからぬ視聴者に注目されていたと思います。今回は、長政が宇都宮鎮房を謀殺するところまでが描かれ、官兵衛の決断・心情が本格的に描かれるのは次回のようです。宇都宮家の粛清は官兵衛を語るにあたって避けては通れないところでしょうが、しっかりと描こうとしているようなので、悪くはないと思います。今回を視聴した限りでは、宇都宮家の粛清に関しては長政が悪役というか損な役回りを担わされている感もありますが、通説でも、今回の描写のように、官兵衛が肥後の一揆を鎮圧するために出陣しているさいの出来事とされているので、問題はないと思います。

この記事へのコメント

ひろし
2014年09月16日 13:37
長政が悪役っぽく描かれるのは、登場初期では予想が付きませんでした。
鎮房の謀殺は、サスペンス劇場っぽかったです。
ここまで力を入れるんだったら、最初から長政が主役の方が良かったと思います。
主役より魅力があるし。
ただ、ブラック化した長政には、ちょっとやり過ぎの様な気がします。
少しイラっとします。
無駄なホームドラマパートがなかれば、もっと面白かったと思います。
最近、余計に腹が立ってきましたから。

それでは~
2014年09月16日 21:31
宇都宮鎮房の娘と黒田家の侍女たちとの会話など、後の悲劇との対比というホームドラマ部分の意図は分からなくもないのですが、ややくどい感は否めません。

予算面でかなり厳しい事情があるのかもしれませんが。

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