ファミリー劇場HDリマスター版『太陽にほえろ!』69~72話

 まだこのブログで取り上げておらず、最近になって視聴した分について取り上げます。69話「初恋への殺意」・70話「さよならはいわないで」・71話「眠りの中の殺意」・72話「海を撃て!!ジーパン」を視聴しました。69話「初恋への殺意」は、学生時代の山さんの苦い思い出というか後悔と、女性の情念とが背景にあり、面白くなっています。山さんと長さんの衝突も少し描かれましたが、溝が深まることはなく和解しており、この頃には一係の結束がすでにかなり固まっていたことを窺わせます。

 70話「さよならはいわないで」は、殿下の恋人の殿下の恋人の麻江の初登場回となります。麻江はこの後にも登場し、セミレギュラーになりそうだったのですが、殿下役の小野寺氏の熱狂的ファンから、殿下に恋人は不要だとの手紙が多数寄せられ、残念ながら87話にて事故死という形での退場となりました。麻江役の有吉ひとみ氏は、後にボギーの姉役で再登場します。『太陽にほえろ!』で違うセミレギュラー(的な)役を演じたのは珍しいと言えるでしょう。

 71話「眠りの中の殺意」は、女性が仮釈放された脱税容疑者を病院で刺したものの、女性自身もなぜ容疑者を刺したのか分からず、女性と容疑者との接点もないという不可解な事件の話です。さすがに一係も事件解決の手がかりをなかなかつかめませんが、山さんは諦めずに捜査を続けます。謎解き的要素があり、なかなか面白かったのですが、富川澈夫氏が演じた犯人の登場場面がさほど多くなかったのは、最後の演技もよかっただけに、残念でした。

 72話「海を撃て!!ジーパン」は、刑事だった父親が射殺されたこともあり、拳銃の使用に嫌悪感と苦手意識を抱いていたジーパンが、それを克服することになった契機を描きます。ジーパンの成長物語として、重要回になったと言えるでしょう。ボスが過去の苦い体験を語ったことや、ジーパンのせいでシンコが撃たれ、そのことがジーパンとシンコとの関係をさらに深める契機となったことも注目されます。話は、謎解き的要素もあり、なかなか面白くなっています。今では死語になったペンフレンドがという言葉が出てくるのも興味深いところです。

各回の評価は以下の通りです。
69話「初恋への殺意」9
70話「さよならはいわないで」5
71話「眠りの中の殺意」8
72話「海を撃て!!ジーパン」9

この記事へのコメント

一係の非常勤
2018年09月24日 09:16
#72『海を撃て!ジーパン』

ある若い男(若かりし頃の山西道広)がペンフレンド(それ自体もはや死語)になった彼女と東京で逢おうと約束し男は出てくるが、逢おうとしていた彼女は何者かに殺されていた。 (修学旅行中の女子高生も)

ジーパンの射撃訓練と上のシーンが話の導入部だが、この『海を撃て!』は太陽歴史の中でも、屈指の名作の中に入る1本と思う。

ペンフレンドの男が殺されていた(自殺に見せかけて)小屋の現場検証中、建物の影からシンコが何者か『真犯人のジョーンズ・スミス』(トニー・セテラ)に狙撃され、重傷を負ってからのジーパンの特撃ちのシーンから、長さんに拳銃を借りて、突堤を疾走しスミスを追いつめるバックに流れる『ジーパン刑事のテーマ』 など。たたみかけるように見せる展開が心地よい。

しかし、マカロニ ジーパン期は時代背景なのか、逮捕される犯人が、いわゆる『変質者』が多い気がする。

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