大河ドラマ『軍師官兵衛』第33回「傷だらけの魂」
まだ日付は変わっていないのですが、8月18日分の記事として掲載しておきます。秀吉は氏を藤原(その前は平)から新たに創出した豊臣へと変えます。秀吉は惣無事を宣言し、徳川・北条・島津などが従わない場合は討伐する、との意向を明らかにします。秀吉は家康を上洛させようとしますが、家康は応じません。三成は家康を討伐するよう秀吉に進言しますが、秀吉は官兵衛の進言通り家康とは戦わず、家康を屈服させようとします。秀吉は三成に、官兵衛への警戒心をはっきりと打ち明けます。秀吉の正妻の「おね」は、三成を重用しすぎないよう、秀吉に進言します。
「おね」は秀吉が茶々に入れあげていることにも苦言を呈します。もう手に入らないものはない、と考えていた秀吉は、自分に見向きもしない茶々が魅力的なのだ、と答えます。秀吉の言うように、茶々は秀吉の前でも傍若無人に振る舞います。茶々は秀吉の御伽衆に取り立てられた道薫(荒木村重)と遭遇し、興味を抱き、村重から有岡城より落ち延びる時の話を聞きたがります。秀吉は村重に、その時のことを茶々に話すよう命じます。その頃官兵衛は、大坂城下の教会を訪ねて右近と会い、村重の妻の「だし」のことを思い出していました。
官兵衛が屋敷に戻ると、新たな使用人がいました。その使用人は「だし」との間の落ち延びた息子(後の岩佐又兵衛)を養っていました。秀吉の命を受けた村重は、有岡城から落ち延びた時の話をするにあたり、官兵衛に立ち会ってもらいたいと願い出て、官兵衛も了承します。官兵衛は村重と「だし」の間の息子を村重と会わせます。官兵衛に新たに仕えた使用人は、かつて荒木家に仕えていました。しかし村重は、自分には子供はいない、と言って立ち去ります。帰宅した村重は、動揺を隠せないようです。官兵衛は右近に相談し、「だし」が救いを求めてキリスト教に入信したことを知ります。
村重は秀吉・千利休・官兵衛・右近・三成たちの前で、茶々に有岡城から落ち延びた時の話をします。村重に幽閉されたことを恨んでいるのか、と茶々に問われた官兵衛は、否定します。途中までは淡々と話していた村重ですが、勝算はあったのか、と茶々に問われたあたりで、雰囲気が変わってきます。勝算はあった、と言う村重は、右近の裏切りで自分の計算に狂いが生じた、と言います。利休は不穏な空気を察して話を止めようとし、秀吉も同意しますが、茶々は村重に話を促します。妻子や家臣を見捨てて一人生きながらえているのはなぜか、というわけです。
村重は茶々に、死にたくても死ねないことを開き直り、生き恥を晒して生きていこうと決意した、自分にはもはや人の心はなく、乱世の産んだ化け物なのだ、と言います。村重は茶々に、なぜ両親を殺されながら仇のもとで生きながらえているのかと尋ね、あなたも私と同じ化け物だ、と言ったため、秀吉は激怒します。さらに村重は、惣無事など絵空事だ、誰が天下を取ってもこの乱世は終わらない、と秀吉に言い、秀吉はさらに激昂して村重を成敗しようとします。村重は秀吉に、自分を殺すよう言います。ここで官兵衛が、村重は死にたいのに自害もできないので、殺されたがっているのだ、と秀吉に取り成します。茶々も、村重は生き恥を晒さねばならない、それが報いだ、と言ったため、秀吉は村重を幽閉するにとどめます。
右近に村重を助けた理由を尋ねられた官兵衛は、村重には生きてもらいたかったのだ、と答えます。官兵衛は、村重の魂を救おうとしたのですね、と右近に指摘され、キリスト教への入信を勧められます。屋敷に戻った官兵衛は、村重と「だし」の間の息子の又兵衛に絵の才能があることを知ります。官兵衛は、大坂からの追放を命じられた村重と又兵衛を再度会わせます。又兵衛は村重に村重の肖像画を贈り、村重は涙を流して息子の又兵衛を抱きしめ、妻の「だし」に謝ります。堺へと向かう村重は、もう一度生きてみると官兵衛に誓い、又兵衛には筆を贈り、絵の道を究めるよう言い残します。官兵衛は右近を訪ねてついにキリスト教に入信します。官兵衛がキリシタンになったことを聞かされた光は、落ち着いた様子です。
小早川隆景と安国寺恵瓊が大坂城に参上し、秀吉は黄金の茶室に案内します。秀吉は、利休の侘び茶もよいが、自分は派手好みだ、と言います。秀吉と利休の対立の伏線ということでしょうか。島津家が秀吉に服従しない意向を明らかにし、九州征伐を決意します。秀吉は官兵衛に、四国征伐のさいには恩賞がなくて不満ではないのか、と尋ねます。官兵衛が、所領ではなく秀吉のもとで天下が静まることこそが望みだ、と言うと、無欲な者こそ怖い、と言って秀吉は警戒心を隠しません。
今回で村重が退場となります。官兵衛と村重との長きに亘る因縁もこれで終わり、最後は官兵衛が村重の魂を救済するという形で決着がつきました。村重・官兵衛と縁の深かった「だし」や右近も絡めて、官兵衛のキリスト教への入信を描いたのは、なかなか上手い創作だったと思います。また、村重を丁寧に描いたことにより、天下人が狂気に囚われていく過程と、官兵衛と秀吉との対立に説得力を持たせることができているように思います。賤ヶ岳の戦いや小牧長久手の戦いや四国征伐がほとんどほとんどまともに描かれなかったことなど、批判も色々とあるでしょうが、官兵衛と秀吉との関係の推移に関してはなかなか上手い構成になっており、全体的に私は楽しんで視聴しています。最近になって登場した茶々はなかなか良い感じです。今後、茶々の存在が豊臣政権内部をどのように変えていくのか、注目されます。
「おね」は秀吉が茶々に入れあげていることにも苦言を呈します。もう手に入らないものはない、と考えていた秀吉は、自分に見向きもしない茶々が魅力的なのだ、と答えます。秀吉の言うように、茶々は秀吉の前でも傍若無人に振る舞います。茶々は秀吉の御伽衆に取り立てられた道薫(荒木村重)と遭遇し、興味を抱き、村重から有岡城より落ち延びる時の話を聞きたがります。秀吉は村重に、その時のことを茶々に話すよう命じます。その頃官兵衛は、大坂城下の教会を訪ねて右近と会い、村重の妻の「だし」のことを思い出していました。
官兵衛が屋敷に戻ると、新たな使用人がいました。その使用人は「だし」との間の落ち延びた息子(後の岩佐又兵衛)を養っていました。秀吉の命を受けた村重は、有岡城から落ち延びた時の話をするにあたり、官兵衛に立ち会ってもらいたいと願い出て、官兵衛も了承します。官兵衛は村重と「だし」の間の息子を村重と会わせます。官兵衛に新たに仕えた使用人は、かつて荒木家に仕えていました。しかし村重は、自分には子供はいない、と言って立ち去ります。帰宅した村重は、動揺を隠せないようです。官兵衛は右近に相談し、「だし」が救いを求めてキリスト教に入信したことを知ります。
村重は秀吉・千利休・官兵衛・右近・三成たちの前で、茶々に有岡城から落ち延びた時の話をします。村重に幽閉されたことを恨んでいるのか、と茶々に問われた官兵衛は、否定します。途中までは淡々と話していた村重ですが、勝算はあったのか、と茶々に問われたあたりで、雰囲気が変わってきます。勝算はあった、と言う村重は、右近の裏切りで自分の計算に狂いが生じた、と言います。利休は不穏な空気を察して話を止めようとし、秀吉も同意しますが、茶々は村重に話を促します。妻子や家臣を見捨てて一人生きながらえているのはなぜか、というわけです。
村重は茶々に、死にたくても死ねないことを開き直り、生き恥を晒して生きていこうと決意した、自分にはもはや人の心はなく、乱世の産んだ化け物なのだ、と言います。村重は茶々に、なぜ両親を殺されながら仇のもとで生きながらえているのかと尋ね、あなたも私と同じ化け物だ、と言ったため、秀吉は激怒します。さらに村重は、惣無事など絵空事だ、誰が天下を取ってもこの乱世は終わらない、と秀吉に言い、秀吉はさらに激昂して村重を成敗しようとします。村重は秀吉に、自分を殺すよう言います。ここで官兵衛が、村重は死にたいのに自害もできないので、殺されたがっているのだ、と秀吉に取り成します。茶々も、村重は生き恥を晒さねばならない、それが報いだ、と言ったため、秀吉は村重を幽閉するにとどめます。
右近に村重を助けた理由を尋ねられた官兵衛は、村重には生きてもらいたかったのだ、と答えます。官兵衛は、村重の魂を救おうとしたのですね、と右近に指摘され、キリスト教への入信を勧められます。屋敷に戻った官兵衛は、村重と「だし」の間の息子の又兵衛に絵の才能があることを知ります。官兵衛は、大坂からの追放を命じられた村重と又兵衛を再度会わせます。又兵衛は村重に村重の肖像画を贈り、村重は涙を流して息子の又兵衛を抱きしめ、妻の「だし」に謝ります。堺へと向かう村重は、もう一度生きてみると官兵衛に誓い、又兵衛には筆を贈り、絵の道を究めるよう言い残します。官兵衛は右近を訪ねてついにキリスト教に入信します。官兵衛がキリシタンになったことを聞かされた光は、落ち着いた様子です。
小早川隆景と安国寺恵瓊が大坂城に参上し、秀吉は黄金の茶室に案内します。秀吉は、利休の侘び茶もよいが、自分は派手好みだ、と言います。秀吉と利休の対立の伏線ということでしょうか。島津家が秀吉に服従しない意向を明らかにし、九州征伐を決意します。秀吉は官兵衛に、四国征伐のさいには恩賞がなくて不満ではないのか、と尋ねます。官兵衛が、所領ではなく秀吉のもとで天下が静まることこそが望みだ、と言うと、無欲な者こそ怖い、と言って秀吉は警戒心を隠しません。
今回で村重が退場となります。官兵衛と村重との長きに亘る因縁もこれで終わり、最後は官兵衛が村重の魂を救済するという形で決着がつきました。村重・官兵衛と縁の深かった「だし」や右近も絡めて、官兵衛のキリスト教への入信を描いたのは、なかなか上手い創作だったと思います。また、村重を丁寧に描いたことにより、天下人が狂気に囚われていく過程と、官兵衛と秀吉との対立に説得力を持たせることができているように思います。賤ヶ岳の戦いや小牧長久手の戦いや四国征伐がほとんどほとんどまともに描かれなかったことなど、批判も色々とあるでしょうが、官兵衛と秀吉との関係の推移に関してはなかなか上手い構成になっており、全体的に私は楽しんで視聴しています。最近になって登場した茶々はなかなか良い感じです。今後、茶々の存在が豊臣政権内部をどのように変えていくのか、注目されます。
この記事へのコメント
今年の大河では、数少ない魅力がある人物で、とても熱演されてました。
予想以上に、上手かったです。
ただ、ナレーションで退場が片付けられたのがちょっと残念。
今度、村重が主役の大河が観たいです。
演じた田中哲司さん、お疲れ様です。
さて、今回のもう一つの出来事は、官兵衛のキリスト教への入信。
ここはちょっと唐突で、もうちょっと時間を掛けて描いて欲しかったです。
今回の主役は、殆ど村重で、肝心の主役の影が薄かったのが残念でした。
せめて、入信は次回まで取っておきたかったです。
縁の深かった「だし」や右近も絡めるのは良かったです。
そこだけは、一様褒めます。
茶々についてですが、今まで観てきた茶々のイメージとは、かなり掛け離れています。
秀吉に復讐感を抱き、とても怖く・ブラックなイメージなのが、とても斬新で印象的です。演じる二階堂ふみさんは、とても熱演してます。
主役級の存在感があります。
なんか、村重と茶々を見ると、益々主役の存在感が薄くなりますね(汗)。
それでは~
茶々は配役発表が遅かったので、あまり重要な人物ではないのかな、とも思っていたのですが、初登場以降の扱いからすると、今後作中で重要な役割を担いそうなので、期待しています。