片山一道「人はなぜ海洋に乗り出したか?」『人類の移動誌』第4章コラム4
印東道子編『人類の移動誌』初版第2刷(関連記事)所収のコラムです。人類が海に接近するようになったのはせいぜい40万年前頃で、10万年前頃にはアフリカ南部で海産物が重要な食糧源となっていたものの、大きな転機は5万年前頃のことだ、と本コラムは指摘します。オーストラリアとニューギニアは当時陸続きで、サフルランドを形成していました。ユーラシア南東部には広大なスンダランドが出現していましたが、サフルランドとスンダランドは陸続きではなく、スンダランドからサフルランドへ移住するには航海が必要でした。
本コラムが次に大きな転機と評価するのは、3000年以上前のラピタ人の航海です。ラピタ人こそ、ある規模の遠距離航海を実践した最初の人類集団だ、と本コラムは指摘しています。現代ポリネシア人の祖先たるラピタ人が、ポリネシア式の大型ダブルカヌーを発明し、家畜や果樹や根菜類を積み込んで、植民航海に乗り出したのではないか、と本コラムは推測しています。未知の島では資源を確実に期待できるわけではありませんから、自らが資源を持ち込み、景観・生態系を変えていったのではないか、というわけです。
参考文献:
片山一道(2014)「人はなぜ海洋に乗り出したか?」印東道子編『人類の移動誌』初版第2刷(臨川書店)第4章「アメリカ大陸・オセアニアへ」コラム4 P258-262
本コラムが次に大きな転機と評価するのは、3000年以上前のラピタ人の航海です。ラピタ人こそ、ある規模の遠距離航海を実践した最初の人類集団だ、と本コラムは指摘しています。現代ポリネシア人の祖先たるラピタ人が、ポリネシア式の大型ダブルカヌーを発明し、家畜や果樹や根菜類を積み込んで、植民航海に乗り出したのではないか、と本コラムは推測しています。未知の島では資源を確実に期待できるわけではありませんから、自らが資源を持ち込み、景観・生態系を変えていったのではないか、というわけです。
参考文献:
片山一道(2014)「人はなぜ海洋に乗り出したか?」印東道子編『人類の移動誌』初版第2刷(臨川書店)第4章「アメリカ大陸・オセアニアへ」コラム4 P258-262
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