さかのぼるクローヴィス文化の年代
クローヴィス文化の年代を見直す研究(Sanchez et al., 2014)が報道されました。この研究はオンライン版での先行公開となります。クローヴィス文化は、かつてアメリカ大陸最古の文化とされていました(クローヴィス最古説)。近年では、以前は通説だったクローヴィス最古説が否定されていますが、クローヴィス文化の重要性が否定されたわけではありません。この研究では、メキシコ合衆国ソノラ州のエルフィンデルムンド(El Fin del Mundo)遺跡が報告されています。「エルフィンデルムンド」とは、スペイン語で「世界の終り」という意味だそうです。
エルフィンデルムンド遺跡では、クローヴィス文化の人工物とともに、ゴンフォセレ(Gomphothere)という現在では絶滅しているゾウ目の動物の骨が発見されました。ゴンフォセレの大きさは現在の象とほぼ同じで、食用とされていたことが判明したのは、これが初めてとのことです。エルフィンデルムンド遺跡でまず注目されるのは、クローヴィス文化の遺跡としては最南端になることです。クローヴィス文化の地理的範囲がじゅうらいの想定よりも広がることになります。
次に注目されるのは、クローヴィス文化の年代です。これまでクローヴィス文化は、放射性炭素年代測定法では11500~10800年前(較正年代では13300~12800年前)とされていました。しかし、エルフィンデルムンド遺跡は放射性炭素年代測定法では11550年前年前(較正年代では13390年前)となり、クローヴィス文化の年代がさかのぼることになります。このことから、クローヴィス文化の起源は北アメリカ大陸の北部ではないのかもしれない、との想定が示唆されています。
参考文献:
Sanchez G. et al.(2014): Human (Clovis)–gomphothere (Cuvieronius sp.) association ∼13,390 calibrated yBP in Sonora, Mexico. PNAS, 111, 30, 10972–10977.
http://dx.doi.org/10.1073/pnas.1404546111
エルフィンデルムンド遺跡では、クローヴィス文化の人工物とともに、ゴンフォセレ(Gomphothere)という現在では絶滅しているゾウ目の動物の骨が発見されました。ゴンフォセレの大きさは現在の象とほぼ同じで、食用とされていたことが判明したのは、これが初めてとのことです。エルフィンデルムンド遺跡でまず注目されるのは、クローヴィス文化の遺跡としては最南端になることです。クローヴィス文化の地理的範囲がじゅうらいの想定よりも広がることになります。
次に注目されるのは、クローヴィス文化の年代です。これまでクローヴィス文化は、放射性炭素年代測定法では11500~10800年前(較正年代では13300~12800年前)とされていました。しかし、エルフィンデルムンド遺跡は放射性炭素年代測定法では11550年前年前(較正年代では13390年前)となり、クローヴィス文化の年代がさかのぼることになります。このことから、クローヴィス文化の起源は北アメリカ大陸の北部ではないのかもしれない、との想定が示唆されています。
参考文献:
Sanchez G. et al.(2014): Human (Clovis)–gomphothere (Cuvieronius sp.) association ∼13,390 calibrated yBP in Sonora, Mexico. PNAS, 111, 30, 10972–10977.
http://dx.doi.org/10.1073/pnas.1404546111
この記事へのコメント