『週刊新発見!日本の歴史』第48号「現代8 政治と経済の迷走の果てに」

 この第48号は平成改元から現在までを対象としており、私の生きてきた時代に重なりますし、さすがに16歳以降のことだけに、この頃ともなると同時代の出来事としてはっきり認識できています。この第48号の執筆者には社会科学系の研究者が多く、歴史週刊誌というよりは時事問題をおもに扱う週刊誌のようです。さすがにまだある程度以上に冷静・客観的に歴史として把握できる段階ではないでしょうから、この人選は妥当なところだと思います。この第48号の基調は、責任編集者が金子勝氏だけあって、グローバリズム・新自由主義・原発への批判が色濃いことです。

 当然、この間の政権も強く批判されており、無責任体制であったことが強調されています。とくに自民党政権への批判が強いのは「いかにも」といった感じですが、この間の大半は自民党が政権を担ってきたのですから、これは仕方のないところでしょう。直接的な現在進行形の問題が取り上げられているだけに、まだ歴史的な評価をくだすには時期尚早ですが、それだけ現代人には切実な内容になっており、現代日本社会の諸問題がいかに深刻なのか、改めて痛感させられます。数十年後にこの第48号を読み、悲観的な内容だったな、と思えるようだったらよいのですが。

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