大河ドラマ『軍師官兵衛』第25回「栄華の極み」

 まだ日付は変わっていないのですが、6月23日分の記事として掲載しておきます。朝廷は吉田兼和(兼見)を光秀のもとへと派遣し、信長が再び官職に就くよう取り成しを頼みます。秀吉はいよいよ毛利勢との直接対決へと臨むことになり、信長は光秀に助力を頼むよう、秀吉に指示していました。明智家の様子を窺う目的もあり、官兵衛は自ら光秀との折衝に臨みます。官兵衛は光秀から5万石で明智家に仕えるよう誘われますが、断ります。光秀を訪ねていた吉田兼和は官兵衛にも接触し、朝廷と信長との潜在的な対立関係を示唆します。本能寺の変に朝廷が絡んでくるという話になるのでしょうか。

 病床の宇喜多直家は先が短いことを覚悟しており、息子(宇喜多秀家)のことを秀吉に託します。直家は官兵衛に、天下人の器である秀吉を支えるよう言います。秀吉は信長の天下しか考えていない、と官兵衛が言うと、信長は危うい、と直家は官兵衛に忠告し、亡くなります。信長の権勢がさらに高まっていくなか、信長と朝廷との潜在的な対立関係を示唆し、直家の発言が信長の没落を予感させるという話になっていました。分かりやすさを志向するこの作品らしい話の作りだな、と思います。

 秀吉が正妻の「おね」と共に姫路城に入り、黒田家と恥羽柴家との絆がますます強くなるなか、光が妊娠し、黒田家中は喜びに包まれます。一方安土城では、吉田兼和が光秀の仲介で信長と会って官職に就くよう頼みます。ところが信長は、その条件として正親町天皇の譲位を提示し、吉田兼和は唖然とします。ここで、信長と朝廷との対立が明確に示されます。正直なところ、今回の信長と朝廷の関係についての解釈はやや古いというか、対立を強調しすぎているようにも思うのですが、私も近年ではこの問題についての勉強が進んでいないので、深くは突っ込まないことにします。

 毛利家では、決死の覚悟で織田軍と戦うよう、小早川隆景が将兵に訴え、清水宗治は死ぬ覚悟で戦うことを誓います。今回は、松寿丸が元服して長政と名乗るところで終わりです。今回は信長の絶頂期とともに信長と朝廷との対立関係を描き、直家の発言により信長が没落することを示唆する内容になっていました。本能寺の変に向けて、分かりやすく話を作ってきた感があります。また、信長の真意が織田家中でも秀吉にしか理解されておらず、信長が家中で孤立していたことも描かれました。本能寺の変は、信長と朝廷との対立、さらには信長の孤立という観点から描かれるのかもしれません。

この記事へのコメント

ひろし
2014年06月24日 14:32
今回から、一様「第2部」が始まりました。ちょうど折り変え地点です。
個人的に、いつもの地味・退屈・幽閉前の内容に戻りましたのが残念です。
なんか、幽閉時が一瞬の「面白さ」だったような気がします。
折角に折り返しなので、もうちょっと期待してましたが、どうにかならなかったのか?
目立ったところは、信長の髭と松寿丸が元服して長政と名乗るぐらいでした。
主役も、幽閉後の数年間、余り成長しなかったように見えます。
ホント、内容が薄かったです。

折り変え地点という所で、現時点の評価を語ります。
幽閉時では、それ並みの面白さがありましたが、ただそれでも、一瞬の感じで、主役にそれ程成長・魅力が増した訳ではなく、物語の面白さも増した訳でもなく、残念に思います。
前にも仰いましたが、今回の大河は、総合的に残念・脱力感を感じます。
総じて、全体的な内容が軽くて薄く、中途半端・魅力がない人物、演出など、色々と問題があります。
3年振りの戦国題材、5年ぶりの戦国武将主役なので、期待が大きく、残念に思います。
個人的に、ほぼ「不作」に決定しそうです。
視聴率は15.7%で、去年よりマシですが、戦国題材では最低だそうです。

現時点の評価は、10点満点中3点ぐらいにします(幽閉以降の面白さを保てば、6点までいったかも)。

それでは~
2014年06月24日 21:29
視聴率が回復傾向にあるのは、幽閉時の面白さ(荒木家の貢献が大きいかもしれませんが)があったからなのでしょうか、それを維持するのはなかなか難しいとは思います。

本能寺の変の前後は、また盛り上がりそうな気もするのですが。

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