『週刊新発見!日本の歴史』第47号「現代7 国際化とバブルの狂騒」

 この第47号は、1970年3月の大阪万博の開幕から1989年1月7日の昭和天皇の崩御までを対象としています。昭和を前期・中期・後期と三区分した場合、おおむね昭和後期を扱っている、と言えるでしょう。この第47号でやっと、私の生きてきた時代に到達します。1972年7月の田中角栄内閣の成立は、私が生まれる直前の出来事でした。もちろん、1970年代後半頃までの出来事の記憶は、後から語り・文字・映像などで得たものですが、日米貿易摩擦や中曽根内閣の頃や瀬戸大橋・青函トンネルの開通などは、同時代のこととして印象に残っています。したがって、この第47号の記事にたいしては、歴史学的な研究の解説というよりは、時事問題の解説との印象の方が強く残りました。

 この第47号の特徴は、この時期に高度成長から低成長へと、さらにはバブルへと進んだ日本経済の動向を、国際関係の変動と結びつけていることです。現在の諸問題に直接的につながる問題が多く見られるようになったのがこの時代で、今後、その評価と位置づけは変わってくるのかもしれません。芸能関係についての記事が見られるのもこの第47号の特徴で、「時代のキーパーソン」として1970~1980年代のアイドルが取り上げられ、イランなど日本以外でも朝の連続テレビ小説『おしん』が大人気だったことも紹介されています。

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