印東道子編『人類の移動誌』初版第2刷

 今日は3本掲載します(その一)。臨川書店より2014年1月に刊行されました。初版第1刷の刊行は2013年3月です。本書は国立民族学博物館の共同研究「人類の移動誌─進化的視点から」の成果をまとめた論文集です。この共同研究には、霊長類学・考古学・言語学・分子遺伝学・形態人類学・文化人類学・生態人類学など多様な分野から研究者が参加しています。この共同研究の成果をまとめたより一般向けの本として『人類大移動 アフリカからイースター島へ』があり、以前このブログで取り上げたことがあります(関連記事)。本書もこの共同研究を反映して、多様な分野の研究者からの論文が所収されています。

 個々の論文の密度が濃いようなので、『ホモ・サピエンスと旧人─旧石器考古学からみた交替劇』の時のように(関連記事)、各論文を一つの記事として取り上げ、この記事にトラックバックを送ることにします。また、本書の論文数はかなり多いので、全論文を取り上げた後にまとめ記事を作成することにします。本書は、第1章~第5章までがいくつかの節とコラムから構成されており、第6章が総合討論となっています。それぞれの節が一つの論文となっているので、1節ごとにこの記事で取り上げることにします。各章の内容は以下の通りです。


第1章・・・人類がアフリカから移動した歴史を、最新の考古学情報とゲノム分析研究を用いて紹介します。

第2章・・・人類のアフリカからアジアへの移動や、ネアンデルタール人(ホモ=ネアンデルターレンシス)と現生人類(ホモ=サピエンス)との関係などについての研究です。

第3章・・・日本列島への人類の移動についての研究です。

第4章・・・アメリカ大陸やオセアニアへの人類の移動についての研究です。

第5章・・・言語学・形態学・遺伝学・同位体分析など、人類の移動を検証する多様な方法が紹介されています。

第6章・・・本書の論文の執筆者の多くが参加した総合討論です。

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