大河ドラマ『軍師官兵衛』第1回「生き残りの掟」
まだ日付は変わっていないのですが、1月6日分の記事として掲載しておきます。いよいよ今年の大河ドラマが始まりました。十数年前に中世~近世移行期にはまり、色々と調べたことがありました。今でも中世~近世移行期への関心はあるのですが、以前よりも優先順位は下がっています。以前ならば、この作品について時代背景も含めて色々と語りたくなったところでしょうが、どうも語りたいという意欲が湧きません。まあそれでも、ブログを始めてから、大河ドラマの初回だけはずっと(過去7年連続)感想記事を掲載してきたので、今年もとりあえず初回は感想を執筆することにしました。
娯楽作品である大河ドラマがどこまで歴史学の研究成果を反映すべきなのかという問題は、大河ドラマが続くかぎり議論が絶えないでしょう。現代日本社会において最も人気の高いだろう時代・舞台を扱うこの作品においてはとくに、**がおかしいとの指摘がネットで多く見られることでしょう。そもそも、「軍師官兵衛」との表題からして問題視する人が多くいると思われます。今の私には、この作品について歴史的見地から突っ込む気力はないので、気が向けばネットでのさまざまな指摘を収集しよう、と考えています。
前置きがやや長くなってしまいましたが、今回の内容についてです。冒頭では秀吉による小田原攻めが描かれ、そこから過去にさかのぼります。冒頭で先の出来事を少し描き、その後過去にさかのぼって本格的に物語が始まるという手法は、近年の大河ドラマではすっかり定着した感があります。2009年以降の大河ドラマはずっとこの手法を採用しており、これで6年連続となります。まあ、2010年放送の『龍馬伝』と2012年放送の『平清盛』は、冒頭で主演が実質的に登場しないとい点でこの間の他の作品とはやや異色でしたが、冒頭で先の出来事を少し描き、その後過去にさかのぼって本格的に物語が始まるという基本的な構図は共通しています。
この手法が用いられるようになったのは、遅くとも第2回の後半以降に主人公の成人役を登場させれば、主演を毎回オープニングのクレジットに載せることができるからだろう、と私は邪推しているのですが(『龍馬伝』は厳密にはこのパターンから外れているのですが)、真相はどうなのでしょうか。冒頭の小田原攻めの場面では、敵が官兵衛に向けて矢を射かけたり、鉄炮を撃ったりしても官兵衛に当たらないという、過剰演出が見られました。これは映像作品のお約束とでも言うべきでしょうから、今更不満を言っても仕方のないところなのでしょうが、どうも私は昔からこのお約束に馴染めません。
冒頭で秀吉による小田原攻めが描かれた後、舞台は時代を32年さかのぼります。この時点では官兵衛は満年齢で11~12歳となり、さすがに子役が演じています。この間にオープニングが挟まるのですが、率直に言って、私がこれまでに視聴した大河ドラマのオープニングでは、最も印象に残らない凡庸な曲でした。何回か聴けば印象が変わるのかもしれませんが。
初回は終盤まで子役時代が描かれ、官兵衛(万吉)は武芸を苦手としているようですが、賢そうです。やはり、長期ドラマでは主人公の子供時代から魅力的なところを描いてもらいたいものだな、と改めて思ったものです。話は、両親から薫陶を受け、失敗を経て自身の立場を自覚し成長していく、という王道的なものになっていました。まあ、急に学問に目覚めたのはやや不自然かな、とも思いましたが、子供は吸収が早いので、問題のある描写とは言えないでしょう。
初回を視聴したかぎりでは、桶狭間の戦いの描き方からも、通俗的見解に大きく依拠した「分かりやすい」物語作りになりそうだな、と予感させます。その意味で、いかにも大河ドラマといった感じの作品になりそうです。興味深い視点からの描写には期待できなさそうですが、好きな出演者もいるので、とりあえず序盤は視聴を続ける予定です。ただ、語りと作風があまり合っていないように思われるのが気になるところです。今後、視聴を続けていけば印象が変わるかもしれませんが。
娯楽作品である大河ドラマがどこまで歴史学の研究成果を反映すべきなのかという問題は、大河ドラマが続くかぎり議論が絶えないでしょう。現代日本社会において最も人気の高いだろう時代・舞台を扱うこの作品においてはとくに、**がおかしいとの指摘がネットで多く見られることでしょう。そもそも、「軍師官兵衛」との表題からして問題視する人が多くいると思われます。今の私には、この作品について歴史的見地から突っ込む気力はないので、気が向けばネットでのさまざまな指摘を収集しよう、と考えています。
前置きがやや長くなってしまいましたが、今回の内容についてです。冒頭では秀吉による小田原攻めが描かれ、そこから過去にさかのぼります。冒頭で先の出来事を少し描き、その後過去にさかのぼって本格的に物語が始まるという手法は、近年の大河ドラマではすっかり定着した感があります。2009年以降の大河ドラマはずっとこの手法を採用しており、これで6年連続となります。まあ、2010年放送の『龍馬伝』と2012年放送の『平清盛』は、冒頭で主演が実質的に登場しないとい点でこの間の他の作品とはやや異色でしたが、冒頭で先の出来事を少し描き、その後過去にさかのぼって本格的に物語が始まるという基本的な構図は共通しています。
この手法が用いられるようになったのは、遅くとも第2回の後半以降に主人公の成人役を登場させれば、主演を毎回オープニングのクレジットに載せることができるからだろう、と私は邪推しているのですが(『龍馬伝』は厳密にはこのパターンから外れているのですが)、真相はどうなのでしょうか。冒頭の小田原攻めの場面では、敵が官兵衛に向けて矢を射かけたり、鉄炮を撃ったりしても官兵衛に当たらないという、過剰演出が見られました。これは映像作品のお約束とでも言うべきでしょうから、今更不満を言っても仕方のないところなのでしょうが、どうも私は昔からこのお約束に馴染めません。
冒頭で秀吉による小田原攻めが描かれた後、舞台は時代を32年さかのぼります。この時点では官兵衛は満年齢で11~12歳となり、さすがに子役が演じています。この間にオープニングが挟まるのですが、率直に言って、私がこれまでに視聴した大河ドラマのオープニングでは、最も印象に残らない凡庸な曲でした。何回か聴けば印象が変わるのかもしれませんが。
初回は終盤まで子役時代が描かれ、官兵衛(万吉)は武芸を苦手としているようですが、賢そうです。やはり、長期ドラマでは主人公の子供時代から魅力的なところを描いてもらいたいものだな、と改めて思ったものです。話は、両親から薫陶を受け、失敗を経て自身の立場を自覚し成長していく、という王道的なものになっていました。まあ、急に学問に目覚めたのはやや不自然かな、とも思いましたが、子供は吸収が早いので、問題のある描写とは言えないでしょう。
初回を視聴したかぎりでは、桶狭間の戦いの描き方からも、通俗的見解に大きく依拠した「分かりやすい」物語作りになりそうだな、と予感させます。その意味で、いかにも大河ドラマといった感じの作品になりそうです。興味深い視点からの描写には期待できなさそうですが、好きな出演者もいるので、とりあえず序盤は視聴を続ける予定です。ただ、語りと作風があまり合っていないように思われるのが気になるところです。今後、視聴を続けていけば印象が変わるかもしれませんが。
この記事へのコメント
地味というか(去年と違う意味で)、ベタというか、教科書どおり過ぎるというか、
全体的に「普通」過ぎました。
悪くはないんだが、どうも雰囲気がモヤモヤしてました。なんか、『龍馬伝』の第1話を思い出しました。子役も、余り魅力が無かったですし。BGMもちょっと戦国テーマの雰囲気に合わなかったですし。OPテーマも、余り印象に残りませんでしたし。
掴みは、去年、一昨年と比べ、弱かったです。
と言うか、過去5年の大河と比べると、一番印象が弱かった初回でした。
あの『江』でさえ、初回はそれ並に面白かったです(結局、作品全体はアレでしたが)。
まあ、まだ初回という訳で、大目の見てやりますが、今の所、不安が高いです。
随分、微妙な始まり方でした。
まあ地味というか、淡々と出来事を映像化しています、という感じです。