アナメンシスの新たな化石
まだ日付は変わっていないのですが、12月24日分の記事として掲載しておきます。アウストラロピテクス=アナメンシスの新たな化石についての研究(Warda et al., 2013)の要約を読みました。この研究では、ケニアの西トゥルカナのカナポイ遺跡で2003~2008年にかけて行なわれた発掘調査により発見された、部分的な歯のない下顎骨・部分的な上顎歯列・2個の部分的な下顎歯列・5個の孤立した歯から成る9個の新たな人類化石が報告されています。この新たな化石はアナメンシスに分類され、その年代は4195000~4108000年前と推定されています。
この新たな9個の化石の分析によっても、いくつかのわずかに大きな臼歯と、人類の化石記録において最大となる一つの犬歯根を除いては、アナメンシスの変異幅が広がることはありませんでした。また、初期人類やアウストラロピテクス=アファレンシスと比較してのアナメンシスの特殊性も改めて確認されました。この新たな9個のアナメンシス化石では、犬歯・小臼歯・犬歯根に共通の特徴が見られます。また、犬歯冠の高さ・形態は、アナメンシス以前の原始的な特徴を保持している、ともされています。そのためこの研究では、アナメンシスとアファレンシスとでは、犬歯の機能において適応的違いがあったかもしれない、と示唆されています。
参考文献:
Ward CV, Manthib FK, and Plavcan JM.(2013): New fossils of Australopithecus anamensis from Kanapoi, West Turkana, Kenya (2003–2008). Journal of Human Evolution, 65, 5, 501–524.
http://dx.doi.org/10.1016/j.jhevol.2013.05.006
この新たな9個の化石の分析によっても、いくつかのわずかに大きな臼歯と、人類の化石記録において最大となる一つの犬歯根を除いては、アナメンシスの変異幅が広がることはありませんでした。また、初期人類やアウストラロピテクス=アファレンシスと比較してのアナメンシスの特殊性も改めて確認されました。この新たな9個のアナメンシス化石では、犬歯・小臼歯・犬歯根に共通の特徴が見られます。また、犬歯冠の高さ・形態は、アナメンシス以前の原始的な特徴を保持している、ともされています。そのためこの研究では、アナメンシスとアファレンシスとでは、犬歯の機能において適応的違いがあったかもしれない、と示唆されています。
参考文献:
Ward CV, Manthib FK, and Plavcan JM.(2013): New fossils of Australopithecus anamensis from Kanapoi, West Turkana, Kenya (2003–2008). Journal of Human Evolution, 65, 5, 501–524.
http://dx.doi.org/10.1016/j.jhevol.2013.05.006
この記事へのコメント