本村凌二、中村るい『古代地中海世界の歴史』
ちくま学芸文庫の一冊として、筑摩書房より2012年11月に刊行されました。本書は2004年に刊行された放送大学用教科書に大幅に加筆・修正したものとのことで、全15章で構成されています。本書はおおむね本村氏が執筆しているのですが、美術史となる第5章・第9章・第13章は中村氏が執筆しています。本書が対象としているのは、時代でいうと前4000年紀から西ローマ帝国の滅亡の頃まで(6世紀以降についてもわずかながら言及されてはいますが)、地域でいうと、地中海沿岸地域を中心として、メソポタミア・ペルシア・ヨーロッパ(ローマ帝国の支配領域)です。
このような広範な地域・時代を対象として一人で(本書は、美術史については中村氏の執筆ですが)通史を書こうとするのは、かなり勇気の必要なことだとは思いますが、一般向けにこうした通史があってもよいのではないか、と思います。さすがに専攻分野だけあって、ローマ帝国については限られた分量のなかで手際よくまとめられているのではないか、と思います。このところ、私の読んだ本村氏執筆の一般向け書籍は外れが続いたのですが、本書は、本村氏の著書として大当たりとまでは言えないにしても、少なくとも外れではない、と思います。
このような広範な地域・時代を対象として一人で(本書は、美術史については中村氏の執筆ですが)通史を書こうとするのは、かなり勇気の必要なことだとは思いますが、一般向けにこうした通史があってもよいのではないか、と思います。さすがに専攻分野だけあって、ローマ帝国については限られた分量のなかで手際よくまとめられているのではないか、と思います。このところ、私の読んだ本村氏執筆の一般向け書籍は外れが続いたのですが、本書は、本村氏の著書として大当たりとまでは言えないにしても、少なくとも外れではない、と思います。
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