オーストラリア大陸の人口の変遷
これは9月12日分の記事として掲載しておきます。オーストラリア大陸の人口の変遷についての研究(Williams., 2013)が報道されました。この研究は、試料の化石化の過程に起因する年代のズレを修正するような新たな放射性炭素年代測定法を用いての、オーストラリア大陸の包括的な放射性炭素年代のデータベースと、遺伝学的データなどを用いて、過去50000年間のオーストラリア大陸の人口の変遷を推定しています。この研究では、オーストラリア大陸への人類の移住は50000年前頃とされています。その頃のオーストラリア大陸の推定人口は1000~2000人で、これは従来の推定値よりも多くなり、計画的な移住だったことを示している、とのことです。
オーストラリア大陸の人口の変遷は気候変動に対応しており、最終氷期最盛期の21000~18000年前の間に人口は約60%まで落ち込み、その後、更新世末~完新世最初期に50000年前頃と同等まで人口が回復し、完新世になってからは、8300~6600年前頃・4400~3700年前頃・1600~400年前頃と何度か増減はありつつも人口は緩やかに増加していき、500年前にヨーロッパ人による侵略の前としては最大の120万人に達しました。その後、オーストラリア大陸の先住民とヨーロッパ人とが接触するようになった頃には、オーストラリア大陸の先住民の人口は770000~1100000人へと低下しており、イギリスによる植民地化が進むと、イギリス人の持ち込んだ疫病やイギリス人による武力弾圧のために、オーストラリア大陸の先住民の人口が劇的に減るという悲惨な事態に至りました。
参考文献:
Williams AN.(2013): A new population curve for prehistoric Australia. Proceedings of the Royal Society B, 280, 1761, 20130486.
http://dx.doi.org/10.1098/rspb.2013.0486
オーストラリア大陸の人口の変遷は気候変動に対応しており、最終氷期最盛期の21000~18000年前の間に人口は約60%まで落ち込み、その後、更新世末~完新世最初期に50000年前頃と同等まで人口が回復し、完新世になってからは、8300~6600年前頃・4400~3700年前頃・1600~400年前頃と何度か増減はありつつも人口は緩やかに増加していき、500年前にヨーロッパ人による侵略の前としては最大の120万人に達しました。その後、オーストラリア大陸の先住民とヨーロッパ人とが接触するようになった頃には、オーストラリア大陸の先住民の人口は770000~1100000人へと低下しており、イギリスによる植民地化が進むと、イギリス人の持ち込んだ疫病やイギリス人による武力弾圧のために、オーストラリア大陸の先住民の人口が劇的に減るという悲惨な事態に至りました。
参考文献:
Williams AN.(2013): A new population curve for prehistoric Australia. Proceedings of the Royal Society B, 280, 1761, 20130486.
http://dx.doi.org/10.1098/rspb.2013.0486
この記事へのコメント