坂上康俊『シリーズ日本古代史4 平城京の時代』
まだ日付は変わっていないのですが、9月11日分の記事として掲載しておきます。岩波新書(赤版)の一冊として、岩波書店より2011年5月に刊行されました。岩波新書の『シリーズ日本古代史』は全6巻で構成されており、これまでさほど読みたいとは思わなかったので、本書が初めて読んだ一冊になるのですが、たまたま古書店で見かけて安いので購入して読んでみたところ、なかなか面白かったので、今後古書店で他の巻を見かけたら購入する予定です。本書は奈良時代の大半を対象としていますが、教科書的な時代区分とは異なり、文武天皇の即位から始めて、一部に光仁・桓武朝の記述も含まれるものの、おおむね称徳朝までを対象としています。
これは、日本史の全集としてたいへんよく売れたらしい中央公論社『日本の歴史』の第3巻『奈良の都』とほぼ同じ時代区分となります。光仁・桓武朝の前で終わっているのは、光仁・桓武朝は平安時代との連続性で把握するのが妥当だろうという見解からなのでしょうが、文武天皇の即位から始まるのは、最初の方で明示されているように、『日本書紀』が持統天皇の譲位で終わり、『続日本紀』が文武天皇の即位から始まる、という史書の区分によるものです。
中央政治史・地方支配の仕組み・対外関係・「辺境」史・宗教・文化などが多岐にわたって手際よくまとめられており、手堅い奈良時代史(教科書的な時代区分とは厳密には一致しませんが)になっていると思います。これは、著者に力量がなければ難しいことでしょう。本書を読むと、初期律令国家における支配層の意気込みがよく伝わってくるとともに、それが観念的になることもあり、地方の実態とは異なる行政区分も大いに見られたことが了解されます。また、律令国家が軍国体制だったことも、改めて強く印象づけられます。
これは、日本史の全集としてたいへんよく売れたらしい中央公論社『日本の歴史』の第3巻『奈良の都』とほぼ同じ時代区分となります。光仁・桓武朝の前で終わっているのは、光仁・桓武朝は平安時代との連続性で把握するのが妥当だろうという見解からなのでしょうが、文武天皇の即位から始まるのは、最初の方で明示されているように、『日本書紀』が持統天皇の譲位で終わり、『続日本紀』が文武天皇の即位から始まる、という史書の区分によるものです。
中央政治史・地方支配の仕組み・対外関係・「辺境」史・宗教・文化などが多岐にわたって手際よくまとめられており、手堅い奈良時代史(教科書的な時代区分とは厳密には一致しませんが)になっていると思います。これは、著者に力量がなければ難しいことでしょう。本書を読むと、初期律令国家における支配層の意気込みがよく伝わってくるとともに、それが観念的になることもあり、地方の実態とは異なる行政区分も大いに見られたことが了解されます。また、律令国家が軍国体制だったことも、改めて強く印象づけられます。
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