『ナショナルジオグラフィック』2013年7月号「デニソワ人 知られざる祖先の物語」
これは7月17日分の記事として掲載します。デニソワ人の発見は、ホモ=フロレシエンシスの発見よりも後では古人類学において有数の衝撃的な出来事で、デニソワ人の知名度はさすがにネアンデルタール人(ホモ=ネアンデルターレンシス)には遠く及ばないにしても、フロレシエンシスに迫るくらいではないだろうか、と思います。この特集記事では、デニソワ人の発見の経緯から最近の研究成果までがまとめられていて、とくに目新しい情報はないのですが、カラー写真・図版も掲載されていますし、古人類学に関心のある人にとっては、購入するだけの価値があるのではないか、と思います。
デニソワ人の骨は断片的にしか見つかっていないので、形態学的にはまだほとんど明らかになっていません。しかし、この特集でも指摘されているように、既知の人骨のなかにデニソワ人と同種のものがあるかもしれません。この特集では、中国で発見された25万~10万年前頃の人骨が候補とされていますが、デニソワ人はシベリアから東南アジアまで広く分布していた可能性が高そうなので、中国で発見された既知の人骨のなかにデニソワ人と同種のものがあっても不思議ではありません。また、今後東南アジアでデニソワ人と同種の人骨が発見されることも期待されます。
ただ、寒冷な地域でないと古人骨からのDNA解析は難しいでしょうから、東南アジアで発見された人骨がデニソワ人と同種なのか、確認は難しいでしょう。シベリアなど寒冷な地域で発見された保存状態のよい古人骨が、DNA解析によりデニソワ人と同種に分類され、デニソワ人の解剖学的特徴がある程度以上明らかにならなければ、既知の人骨群のうちどれがデニソワ人と同種なのか、検証するのは難しそうです。デニソワ人の事例もそうですが、古生物のDNA解析の進展は目覚ましく、今後の研究の進展により、現生人類ともネアンデルタール人ともデニソワ人とも異なる人類が、遺伝学的に特定される可能性も低くはないでしょう。
デニソワ人の骨は断片的にしか見つかっていないので、形態学的にはまだほとんど明らかになっていません。しかし、この特集でも指摘されているように、既知の人骨のなかにデニソワ人と同種のものがあるかもしれません。この特集では、中国で発見された25万~10万年前頃の人骨が候補とされていますが、デニソワ人はシベリアから東南アジアまで広く分布していた可能性が高そうなので、中国で発見された既知の人骨のなかにデニソワ人と同種のものがあっても不思議ではありません。また、今後東南アジアでデニソワ人と同種の人骨が発見されることも期待されます。
ただ、寒冷な地域でないと古人骨からのDNA解析は難しいでしょうから、東南アジアで発見された人骨がデニソワ人と同種なのか、確認は難しいでしょう。シベリアなど寒冷な地域で発見された保存状態のよい古人骨が、DNA解析によりデニソワ人と同種に分類され、デニソワ人の解剖学的特徴がある程度以上明らかにならなければ、既知の人骨群のうちどれがデニソワ人と同種なのか、検証するのは難しそうです。デニソワ人の事例もそうですが、古生物のDNA解析の進展は目覚ましく、今後の研究の進展により、現生人類ともネアンデルタール人ともデニソワ人とも異なる人類が、遺伝学的に特定される可能性も低くはないでしょう。
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