『週刊新発見!日本の歴史』第2号「近代1 幕末維新の群像劇」
この第2号はペリー来航から戊辰戦争までを対象としており、伝統的というか一般的な時代区分にしたがったものと言えるでしょう。ただ、「新発見」と題しているだけに、一般的というか通俗的な歴史観を訂正しよう、という編集意図はよく伝わってきました。たとえば、いわゆる薩長同盟の性格をめぐる議論で、今では、薩長同盟が当初は討幕を目的としたものではない、という見解が学界ではほぼ定着しているようです。そこからさらに、薩長同盟が軍事同盟か否か、という議論に発展しているようです。
幕末の幕府の西洋列強との外交交渉が、通俗的に言われているほど情けないものではなかった、という見解は、すでに10年以上前から一般向け書籍でも指摘されていますが、本書でもそうした見解が改めて主張されています。民衆が維新に期待し、すぐに幻滅したことを指摘した論考も掲載されているあたりが、いかにも朝日新聞的だとして嫌う人もいるかもしれませんが、とくに問題のある内容ではなかったと思います。この第2号には小事典がついてきており、西暦・年号・干支の対照年表や時刻表や天皇系図や度量衡表が掲載されており、この第2号だけでも購入する価値がある、というくらい有益だと思います。
幕末の幕府の西洋列強との外交交渉が、通俗的に言われているほど情けないものではなかった、という見解は、すでに10年以上前から一般向け書籍でも指摘されていますが、本書でもそうした見解が改めて主張されています。民衆が維新に期待し、すぐに幻滅したことを指摘した論考も掲載されているあたりが、いかにも朝日新聞的だとして嫌う人もいるかもしれませんが、とくに問題のある内容ではなかったと思います。この第2号には小事典がついてきており、西暦・年号・干支の対照年表や時刻表や天皇系図や度量衡表が掲載されており、この第2号だけでも購入する価値がある、というくらい有益だと思います。
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