鈴木光太郎『ヒトの心はどう進化したのか─狩猟採集生活が生んだもの』
これは6月28日分の記事として掲載しておきます。ちくま新書の一冊として、筑摩書房より2013年6月に刊行されました。現代人の心は他の動物とどのように違うのか、そうした違いが進化の過程でどのように生じたのか、という問題の一般向け解説となっています。本書では、ほとんどの現代人が当然と思っている行動・能力の少なからぬものが、他の動物には見られない特殊なものであり、それが現生人類(ホモ=サピエンス)の特徴である、と強調されています。それは、たとえば他者の視点で物事を考えるという能力であり、そうした能力が人類社会の様相も規定しています。
人類の進化に強い関心を持っている私でさえ、そうした能力が現生の他の動物にはないだろうということについて、曖昧な認識しかなく、本書で人間の特徴について改めて教えられたことが多々ありました。人類の進化史において農耕・牧畜の行われていた期間よりも狩猟採集生活の期間の方が(現時点では)圧倒的に長い、ということはほぼ常識になっているでしょうが、そのことが現代人の特徴に大きな影響を与えているだろうということも、本書を読むと了解されます。人間について改めて考えるうえで、有益な一冊になっていると思います。
人類の進化に強い関心を持っている私でさえ、そうした能力が現生の他の動物にはないだろうということについて、曖昧な認識しかなく、本書で人間の特徴について改めて教えられたことが多々ありました。人類の進化史において農耕・牧畜の行われていた期間よりも狩猟採集生活の期間の方が(現時点では)圧倒的に長い、ということはほぼ常識になっているでしょうが、そのことが現代人の特徴に大きな影響を与えているだろうということも、本書を読むと了解されます。人間について改めて考えるうえで、有益な一冊になっていると思います。
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