『あまちゃん』東京編に向けて

 これは6月12日分の記事として掲載しておきます。相変わらずたいへん面白い『あまちゃん』ですが、いよいよ東京編が近づいてきていることを感じさせる展開になってきて、北三陸編がもうすぐ終わるのかと思うと、寂しさもありますが、北三陸編があまりにも面白いだけに、不安も残ります。これまで、ユイが東京への憧れを強く表に出していたのにたいして、東京で生まれ育ったアキは、暗かった頃の自分を思い出し、東京を嫌っています。これは、アキの母の春子が故郷の北三陸を嫌っているのと相似形であり、この親子が故郷への後ろ向きの気持ちをどう克服するのか、ということもこの作品の見どころとなりそうです。

 アキがアイドルを目指すことを春子が異様に嫌っている理由も、春子が家出して上京してから正宗と出会うまでの期間とともに明かされるのでしょうが、現時点で推測できるのは、アイドルになりたかったにも関わらずなれなかった春子が、かつてユイの指摘したように、地元アイドルとして人気の出てきた娘のアキに嫉妬している、という側面もあるのではないか、ということです。また、それとも関連してきますが、自分でさえアイドルになれなかったのに、(東京にいた頃は)地味だったアキがアイドルになれるとはとても思えず、辛い思いをさせるだけだ、という娘を案ずる母親としての気持ちもあるのでしょう。夏―春子―アキという三代にわたる親子関係は、この作品の見どころになっており、東京編でも夏や春子や北三陸の人々の出番が多いといいな、と思います。

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック