アジアの人類進化研究についての展望
まだ日付は変わっていないのですが、6月10日分の記事として掲載しておきます。『ナショナルジオグラフィック』のweb版の「研究室に行ってみた」という連載で、国立科学博物館の人類史研究グループの海部陽介博士へのインタビューが読めます。
http://nationalgeographic.jp/nng/article/20130529/352348/
海部博士らのホモ=フロレシエンシスについての最新の研究
https://sicambre.seesaa.net/article/201304article_19.html
が紹介されており、フロレシエンシスを中心に、アジアにおいて人類がどのように進化してきたのか、今後の研究の展望も含めて述べられており、なかなか読みごたえがあります。とくに目新しい情報はないのですが、フロレシエンシスの祖先について、ホモ=エレクトス説を採る海部博士は、ホモ(もしくはアウストラロピテクス)=ハビリス(的な人類)説の方が近年では優勢であることを率直に認めています。それでも海部博士がエレクトス祖先説を採るのは、エレクトスについて詳しく知っている、という自負もあってのことのようです。
海部博士はさらに、アジアにおける人類化石の空白地帯の広さから、アジアで未知の人類化石が発見される可能性についても言及しています。これは確かにその通りで、今後の発見・研究が大いに楽しみです。ただ、サハラ砂漠以南のアフリカも、自然人類学・考古学の研究は東部と南部(実質的には南アフリカ共和国)に偏重している感は否めませんので、今後アフリカで、衝撃的な人類化石が発見される可能性は、かなり高いのではないか、と思います。また、土器と農耕についても、アフリカで衝撃的な証拠が発見される可能性があるのではないか、と予想しています。
http://nationalgeographic.jp/nng/article/20130529/352348/
海部博士らのホモ=フロレシエンシスについての最新の研究
https://sicambre.seesaa.net/article/201304article_19.html
が紹介されており、フロレシエンシスを中心に、アジアにおいて人類がどのように進化してきたのか、今後の研究の展望も含めて述べられており、なかなか読みごたえがあります。とくに目新しい情報はないのですが、フロレシエンシスの祖先について、ホモ=エレクトス説を採る海部博士は、ホモ(もしくはアウストラロピテクス)=ハビリス(的な人類)説の方が近年では優勢であることを率直に認めています。それでも海部博士がエレクトス祖先説を採るのは、エレクトスについて詳しく知っている、という自負もあってのことのようです。
海部博士はさらに、アジアにおける人類化石の空白地帯の広さから、アジアで未知の人類化石が発見される可能性についても言及しています。これは確かにその通りで、今後の発見・研究が大いに楽しみです。ただ、サハラ砂漠以南のアフリカも、自然人類学・考古学の研究は東部と南部(実質的には南アフリカ共和国)に偏重している感は否めませんので、今後アフリカで、衝撃的な人類化石が発見される可能性は、かなり高いのではないか、と思います。また、土器と農耕についても、アフリカで衝撃的な証拠が発見される可能性があるのではないか、と予想しています。
この記事へのコメント
―なるほど。近年になって、古人類や古代史についての従来の常識やセンスが大きく覆されてきましたし、自分自身でもずいぶんイメージを変えてきたつもりでしたが、まだまだ分かっていないことや未発見のことの方が遙かに多いのですね。
これからが楽しみですが、生きている間にどこまで見られるか、少々不安でもあります。
なるべく長生きして、より多くのことを知りたいものではありますが。