NHKスペシャル『病の起源』第2集「脳卒中~早すぎた進化の代償~」
これは5月28日分の記事として掲載しておきます。もうほとんど諦めてはいるのですが、相変わらずの芸能人を起用しての過剰な演出が見られたのは残念でした。ただ、今回もそうでしたが、基本的には真面目な作りの番組になっており、良い意味でNHK的ではあると思います。今回の疑問点としては、ピグミーが太古の生活を維持している、という説明が挙げられます。このブログで何度も述べてきたことですが、採集狩猟民が太古の生活を維持しているというのは、確たる根拠のない現代人の思い込みでしょう。そもそも、今回登場したピグミーの服装を見ただけでも、太古の生活を維持している、という表現に問題があることが分かりそうなものですが。
脳卒中の要因として塩分の過剰摂取が挙げられていたのはもっともなところですが、それが6万年前の現生人類(ホモ=サピエンス)による出アフリカとを結びつけられていたのは、因果関係が皆無とは言えないにしても、疑問の残るところです。番組では、アフリカには塩の産地が少ないことが指摘されていましたが、アフリカ以外の地域にしても、たとえば現在の中華人民共和国領内は塩の産地の少ない地域で、それ故に塩の専売制が可能だった、という歴史的経緯がありました。人類による塩分の過剰摂取は、出アフリカそのものよりも、経済発展・食生活の変化などに直接の因果関係を求めるべきではないのか、と思います。
脳卒中の要因として塩分の過剰摂取が挙げられていたのはもっともなところですが、それが6万年前の現生人類(ホモ=サピエンス)による出アフリカとを結びつけられていたのは、因果関係が皆無とは言えないにしても、疑問の残るところです。番組では、アフリカには塩の産地が少ないことが指摘されていましたが、アフリカ以外の地域にしても、たとえば現在の中華人民共和国領内は塩の産地の少ない地域で、それ故に塩の専売制が可能だった、という歴史的経緯がありました。人類による塩分の過剰摂取は、出アフリカそのものよりも、経済発展・食生活の変化などに直接の因果関係を求めるべきではないのか、と思います。
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