『あまちゃん』第7週「おらのママに歴史あり」

 まだ日付は変わっていないのですが、5月19日分の記事として掲載しておきます。第7週の見どころはついに春子が歌う場面だったのですが、春子の歌った「潮騒のメモリー」は「ドラマ後半の物語の鍵を握る」とのことで、この歌をめぐる謎解きも楽しみの一つとなりそうです。今後、物語の舞台は東京に移るようですが、北三陸編があまりにも面白いので、この面白さが主要人物の入れ替わりそうな東京編でも維持されるのか、不安はあります。しかし、「潮騒のメモリー」が北三陸と東京をつなぎ、東京編でも北三陸の人々が関わってきそうな気もしますので、不安はあるものの、期待もしています。

 第7週で上手いなあと思ったのは、春子が家出をするいきさつの場面です。これまでに、春子が家出をする前日に当時の市長たちが訪ねてきて、春子に北三陸のため海女として海に潜るよう懇願し、反発した春子が寝たふりをしている母の夏に東京に出たいと訴え、北三陸鉄道リアス線が開通する翌日、春子は式典の行われているなか、始発列車に乗って家出をする、という場面が描かれていました。春子の母を含む北三陸の人々への反発と家出は、東京への憧れのためなのだろう、と単純に考えていたのですが、オーディションを受けるという直近の具体的な目標があったことが明かされ、これは上手い構成だったと思います。

 主演の能年玲奈さんは相変わらず演技も安定していて可愛く、アキ役は彼女以外に考えられない、と思わせるくらいの適役なのですが、一つの役の印象がこれだけ強くなるというのは、役者としては負の側面も大いにありそうなので、今後しばらくはそれに苦しむことになるかもしれません。第7週では若い頃の春子役の有村架純さんの出番が多く、演技が上手くて美人なので、すっかりお気に入りの女優になりました。今後、家出して東京に出てからの春子の動向も詳しく描かれそうですから、有村さんの出番も多そうで、たいへん楽しみです。

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