恐竜の寄生虫ではなかったジュラ紀の昆虫

 まだ日付は変わっていないのですが、4月7日分の記事として掲載しておきます。ジュラ紀の昆虫についての研究(Huang et al., 2013)が公表されました。以下は『ネイチャー』の日本語サイトからの引用で、これまで、ジュラ紀の化石昆虫であるstrashilidは、翼竜または羽毛恐竜にたかるノミのような寄生虫だと考えられてきたのですが、新たな化石標本の発見により、そうではない可能性が高くなった、とのことです。strashilidの鋏のような肢は、これまで、宿主にしがみつくために使われたと考えられていたのですが、雄にしか認められず、また吸血に適すると考えられていた口器は成体では退化しているので、strashilidの肢は交尾中に雄が雌を捕まえておくのに使われた可能性が高いのではないか、というわけです。さらに一部の標本には翅および鰓が認められたことから、strashilidの成体は水生または水陸両生で、羽化後に翅を脱落させて水中で交尾していたのではないか、とも推測されています。

古生物学: ジュラ紀の水陸両生の双翅目昆虫と幼形保有
古生物学: 太古の昆虫strashilidは恐竜の寄生虫ではなかった
 ジュラ紀の化石昆虫であるstrashilidは、化石標本がごくわずかしか発見されていないが、新奇な特徴を持つことから、翼竜または羽毛恐竜にたかるノミのような寄生虫だったと考えられていた。しかし、中国のジュラ紀中期層(約1億6500万年前)から新たな標本が13体発見されたことで、今回その見方が大幅に修正された。はさみのような肢は、宿主にしがみつくために使われたとこれまで考えられていたが、雄にしか認められず、交尾中に雌を捕まえておくのに使われた可能性が高いことがわかった。吸血に適すると考えられていた口器は成体では退化しており、また、一部の標本には翅および鰓が認められた。strashilidの成体は水生または水陸両生で、羽化後に翅を脱落させて水中で交尾していたらしい。



参考文献:
Huang D. et al.(2013): Amphibious flies and paedomorphism in the Jurassic period. Nature, 495, 94–97.
http://dx.doi.org/10.1038/nature11898

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