大河ドラマ『八重の桜』第1回「ならぬことはならぬ」

 いよいよ今年の大河ドラマが始まりました。今年は、昨年と違って気軽に視聴し、感想記事も簡潔に述べていくつもりです。冒頭で南北戦争が描かれたのには驚きました。この意図は現時点ではよく分からないのですが、日本が外国の動向に大きく影響を受ける時代に入っていったということと、内乱後の国家建設ということで日本と対比させようということなのかもしれません。冒頭では会津城攻防戦も描かれ、主人公の八重は成人役です。ここから時代はさかのぼり、八重の子供時代が子役を起用して描かれるのですが、『義経』や『天地人』や『江~姫たちの戦国~』など、近年の大河ドラマではよく見られる手法です。邪推すると、全話で主演を登場させるための工夫ということでしょうか(『義経』では第2回で主演が登場しなかったと記憶していますが)。八重の子役の方はなかなか上手かったと思います。

 この後オープニングとなるのですが、いかにも大河ドラマらしい曲だと思います。ただ、曲の最後のほうが尻すぼみになっている印象を受けました。オープニングの映像は、近年の大河ドラマの傾向に沿って、主演を強調したものになっていました。これは私の好みではないのですが、今後も大河ドラマのオープニングはこうした映像になりそうです。初回の話は、当時の会津藩の士風と置かれた立場を主眼に描きつつ、八重の兄の覚馬を吉田寅次郎・宮部鼎蔵・佐久間象山・勝麟太郎と関わらせ、日本が動乱の時代に突入していくことを予感させるものになっていました。

 おそらく、八重が会津から動くのは明治になってからでしょうから、幕末の動向は覚馬を通じて描くということなのだと思います。2008年の大河ドラマ『篤姫』もこの作品と同じく女性が主人公でしたが、動きの少ない主人公の篤姫を補い、歴史の流れを説明する役回りを与えられたのが小松帯刀で、この作品の覚馬も、会津城攻防戦まではそのような役を担うのではないか、と予想しています。会津城攻防戦までは、実質的には八重と覚馬の二人が主人公ということになりそうです。

 初回を視聴したかぎりでは、脚本・演出はまずまずでしたし、映像はくっきりと見やすいものになっていました。昨年の大河ドラマ『平清盛』と比較すると、全体的に穏やかな作りになっていると言えそうで、多くの視聴者にとって安心して見ていられる作品になりそうです。それだけに、良くも悪くも興奮させられるということは少なそうですが、初回を視聴したかぎりでは、最終回までそれなりに楽しめそうな予感がします。ただ、昨年で大河ドラマの視聴習慣が途絶えた人が多そうなので、序盤の視聴率は苦戦するかもしれません。

この記事へのコメント

みら
2013年01月06日 21:41
こんばんわ

昨年の雅とは比較になりませんが、正月には穏やかな大河で。
吉田松陰と一緒に船に乗っちゃうんですね?
今回の見所は佐久間象山デスかね?笑
覚馬兄さん役の西嶋さんあまり好きじゃないんですが、この役は良さそうです!
最初の10分くらいで挫折しそうかなとおもいましたが、後半が面白くなってきたので何とか一年持つかなー?
しかし…雅がちょっと恋しい笑

オススメの大河ドラマの解説hpはありますか?
2013年01月06日 21:48
佐久間象山は、才知に溢れているものの、敵を多く作りそうな人物造形になっているのがよい、と思います。

大河ドラマの解説ならば、建前が多くても公式サイトがよいと思います。

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