大河ドラマ『平清盛』総集編

 まだ日付は変わっていないのですが、1月2日分の記事として掲載しておきます。大河ドラマの総集編はあまり見ないようにしているのですが、それは、総集編では本編の大半がカットされてしまい、作品の流れが途切れがちになり、作品の良さを損なうことがほとんどだからです。そのため、大河ドラマの総集編で視聴するのは、名場面の再視聴を目的とした、『風林火山』のようによほど気に入った作品か、『国盗り物語』のように、総集編しか残っていない作品だけにしています。『平清盛』は、本放送の大河ドラマとしては『風林火山』以来の熱心に視聴した作品となったので、総集編を視聴することにしました。ただ、『平清盛』は大河ドラマとしては空前の低視聴率となったためか、総集編が1時間ずつ3回と短い時間になったことは残念でした。

 同じく本編を熱心に視聴した『風林火山』の総集編と比較すると、総集編だから当然とはいえ、ダイジェスト版的性格が強くなっていましたが、一方で編集に工夫があるようにも思いました。『風林火山』の総集編は、個々の人物や出来事を短い時間のなかで少しずつ取り上げてつなぎ合わせるのではなく、特定の事件に焦点を当てて、長時間を割いていたように思います。そのため、信虎追放劇に長時間が割かれた一方で、第5回「駿河大乱」や第8回「奇襲!海ノ口」のような信虎追放劇と同等以上に出来のよい話が全省略されていました。時間的制約のある総集編では、こうした編集も有だろう、とは思います。

 『平清盛』の総集編は、個々の人物や出来事を短い時間のなかで少しずつ取り上げてつなぎ合わせる傾向が見られましたが、放送時間順に各場面を取り上げてつなぎ合わせるのではなく、時として放送順を無視した編集がなされており、ダイジェスト版的性格の強くなる総集編において、視聴者が少しでも話の筋を追いかけやすいような工夫がなされていたように思います。清盛が主人公だけに、清盛中心の編集になったのは当然でしょうが、改めて序盤の清盛を見ると、魅力に欠けるというか、これでは視聴者が離れていったのも仕方ないな、と改めて思ったものです。

 清盛中心の編集となったため、頼長の最期のように印象的な場面で省略されたものが少なからずあったことは、本筋からやや外れているので仕方ないとはいえ、残念ではありました。頼長の最期は、頼長・忠実の熱演もさることながら、鸚鵡の一世一代の名演がたいへん印象に残りました。まあ、最期の場面の鸚鵡は模型だったそうで、美術・演出の功績大と言うべきでしょうか。その他にも、殿下乗合事件など取り上げてもらいたかった場面はありますが、全体的に総集編としてはなかなかよい出来になっていたように思います。『平清盛』は大河ドラマとしては空前の低視聴率になったため、地上波・BSプレミアムで再放送とはならないでしょうし、今後NHKが積極的に取り上げることもないでしょうから、この総集編の放送で大河ドラマ『平清盛』は完全に終了したということになりそうで、1年間熱心に視聴を続けてきたので、なんとも寂しいものです。

この記事へのコメント

みら
2013年01月01日 23:53
こんばんわ
明日の大河ドラマそれでは総集編は新春ドラマとかぶるので散々迷いましたが今までの分を消して総集編のみ録画して保存しようと思います。
清盛は前半部分が大変面白かったので、苦渋の選択でした。メモリを増設しようかと真剣に考えました。すごく残念です。
明日は自宅で録画して実家で白虎隊の前半部を見ることを母が許してくれるかが、気になります。喧嘩になり「早く帰れば。」などと言われそうです笑。
今回のようにうっとりする大河ドラマもお今後ないでしょうね。
出来れば近いうちに鎌倉幕府をやって欲しいなー。
ところで、本日佐伯泰英原作の竹中直人主演のnhk時代劇を見ましたが中々良かったです。ちょっと現代のお役人の悩み的な部分と忠義の志に江戸庶民の楽しさと加わって楽しかったです。さすが人気作家の…読んだことなかったけど、西行が主役やってたのはイマイチだったけどその他は良い配役でした。
正月はこんな風にのんびりと集中して時代劇を見るのがいいです。
2013年01月02日 19:54
鎌倉時代の大河ドラマは当分なさそうです。

『草燃える』から40年ということで、次は2019年でしょうか。
みら
2013年01月04日 16:40
こんにちわ
大河ドラマ総集編は、なんとも物足りないものでしたが、それでも一挙に視聴可能な長さなので、のめり込んで見ているうちにやはり最後は泣けました。
しかし…本編の方を残せば良かったという後悔先に立たず笑。
今年もよろしくお願い申し上げます。
2013年01月04日 21:53
こちらこそ、今年もよろしくお願い申し上げます。

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