大河ドラマ『平清盛』第48回「幻の都」

 まだ日付は変わっていないのですが、12月10日分の記事として掲載しておきます。今回は、平家の没落が強く印象づけられ、いよいよ最終回が近づいてきたことを実感しました。各地で反平家の蜂起が相次ぎ、寺社も不穏な動きを見せ、公卿たちも平家に冷ややかな視線を向けるようになり、平家は孤立を深めます。ただ、この時期に平家は東国で大敗を喫したものの、近江では反乱軍をあっさりと平定しており、同時代人の多数は、この後の史実で見られたような平家の没落が必然とは考えていなかったのではないか、と思います。公卿では兼実や経宗が登場し、相変わらずの存在感を見せてくれました。やはり戯画化された演出になっており、相変わらずの役者頼みの場面になっていて不満もありますが、私は楽しみにしているところも多分にあります。

 東国の源氏の話では、弁慶により祗園闘乱事件の真相が頼朝に語られました。頼朝は、乱れた世に報いられた矢である清盛が、やはり武士の世を目指そうと苦闘してきたことを改めて認識し、共に武士の世を目指しながら決別した清盛の切り開いた道と義朝の切り開いた道とを結びつけるのは自分だと自覚したようです。ここはこの作品の構造を理解するうえで重要な場面と言えそうで、清盛の目指した武士の世は、義朝の目指したそれとともに頼朝により継承され、それ故の、第一回冒頭における頼朝の「清盛なくして武士の世は来なかった」という台詞だったのでしょう。頼朝に自らの立場を自覚させる役割を担った弁慶に、祗園闘乱事件の頃から河内源氏や伊勢平氏に関わらせてきた脚本の意図もはっきりとしました。本放送当時にはよく理解できなかった脚本上の意図が、終盤になってはっきりと分かるようになることがあり、成功しているか否かはさておくとしても、最初から最後まで計算した上での脚本になっているのだな、と思います。

 主人公側の平家では、清盛が忠清を斬れなかったことで老いをはっきりと自覚したということもあるのか、弱気になっていきました。最近の清盛の傲慢さは、老いを認めたくないというか、薄々自覚していたが故だった、と解釈するのがよさそうに思います。清盛は宗盛の諫言により、心血を注いできた新都福原から平安京へ還都することになって落ち込んでいたところへ、重衡の率いる平家軍が南都を焼き討ちしてしまったことを知り、天が平家を見放したのだ、とこれまでからは信じられないような弱気なことを言います。その清盛を救ったのは、重衡の屈託のなさでした。これまでにわずかながら描かれてきた重衡の人物像と合致する発言でしたが、この発言を活かすには、もう少し丁寧に重衡を描いておいてほしかったものです。

 小説版を読んだときには、今回は回想場面が多くなって冗長な構成になるのではないか、と懸念していたのですが、懸念していたよりも多少ましだったとはいえ、やはり回想場面の多さは気になりました。ただ、過去の話と結びつく物語が展開されたことも合って、不要だとはあまり思いませんでしたし、なかなか面白くなっていました。今回は、重盛とはまた異なる様ではあるものの、宗盛の清盛への諫言は強く印象に残りました。これまで、出来の悪さが強調されてきた宗盛にとって、おそらく最大の見せ場でしょう。残り2回でついにこの作品も完結となり、第1回からずっと熱心に視聴を続けてきただけに、寂しいものです。最終回はかなりの駆け足になりそうなだけに、放送時間延長を願っているのですが、今のところ延長との情報はないようで、なんとも残念です。今回についてもっと色々と語りたいこともあるのですが、このところずっと多忙で疲れているため、今回はここまでとしておきます。

この記事へのコメント

みら
2012年12月09日 21:12
こんばんわ
最近はお忙しいのですか?

あと2回になりましたね、かなりさみしい気が致します。
来年は、あまり好きなテーマではないんですよ…ワラ。

来週は、選挙の関係で放送時間が変更になりますが、速報みたさに視聴率がupするといいなーと思います。

なんだか、「今年もお世話になりました」と、年の瀬のご挨拶をしたい気分です。笑
2012年12月10日 21:02
番組関係者ではない一視聴者の私の場合、視聴率がどれだけ低かろうが、視聴意欲は削がれないのですが、最終回は延長放送ではなさそうですから、視聴率が低いのはやはり困ったことだったのだなあ、と改めて思います。

せめて、次回と最終回くらいは視聴率二桁をとってもらいたいものですが。
みら
2012年12月11日 22:46
こんばんわ

12月に入ってからは、超低レベルですが二桁キープしているので次週とラストももう少し伸びるんじゃ?
ちなみに来週はどのくらいの数字になると思いますか?
私は
15%くらいにのびるのではないかと思います。
…だったら嬉しい。
2012年12月12日 19:10
変則時間での放送の時は視聴率が悪そうなので、一桁の可能性が高いでしょう。
みら
2012年12月14日 08:50
おはようございます。
あら、下がる予想なんですね。それは困った…。
総集編はあるんですか?

ところで、最近木曜八時から『薄桜記』だったかな?にハマってます。頼長の丹下典膳がなかなかのお気に入りで、忠臣蔵が今後のテーマになっていくのですが、これにどうかかわるのかなーと、こちらの終盤も楽しみです。風林火山で勘助の想いビトを演じた柴俊夫の娘さん(名前忘れた)も、だんだん女性らしく綺麗になってきました。
典膳の妻なんですが主題はこの夫婦の愛と絆らしいんですけど。

最近は時代ものとみせかけた偏愛ドラマがふえましたが、金曜日の『大奥』は、どう思います?
2012年12月14日 20:28
『大奥』は視聴していません。

今年は多忙だったこともあって、本放送のドラマで視聴したのは『平清盛』と『梅ちゃん先生』だけです。

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