大河ドラマ『平清盛』第40回「はかなき歌」

 まだ日付は変わっていないのですが、10月15日分の記事として掲載しておきます。今回で滋子(建春門院)が退場となります。滋子は平家と後白河院との協調関係の要と言える人物で、滋子の死により、対立しつつも協調してきた清盛と後白河院との関係が破綻し、衝突に至ったのではないか、とも思います。この作品でも、滋子が平家と後白河院とを結びつける重要な役割を果たしたことは描かれてきましたが、滋子に思い入れのある人にとっては、そうした関係が前回までの描写では不充分ということなどもあって、大いに不満の残る物語構成だったかもしれません。滋子を演じるのが成海璃子氏と発表されてから、時代劇での演技力に不安はあるものの、私がとくに期待している若手女優なので、楽しみにしていたのですが、演技面では大いに不満が残る結果となり、メイクといい唐突な死の描写といい、なんとも残念でなりません。それでもまだ、成海氏の成長に期待してはいるのですが。

 伊豆では、頼朝が一時期よりも復活してきたようで、頼朝に興味を持つ政子により、頼朝は覚醒することになるのでしょう。今回から維盛・資盛が成人役となり、この重盛の二人の息子とともに、知盛・重衡という清盛の息子たち、古くからの平氏家人である忠清たちの人間模様が描かれることにより、平家の驕りと軟弱化が示され、平家の滅亡という大きな流れに向かっているのだなあ、と改めて思います。今回は、派手なところはありませんでしたが、西光・成親の動向と清盛との関係なども描かれ、まずまず面白い回になりました。今後は、清盛と後白河院との対立が激化していくという展開になるでしょうから、次回以降はさらに見所が多くなるのではないかな、と期待しています。

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